「全国学力・学習状況調査」をご存知でしょうか。2007年より毎年実施され、ランキングが発表される調査なのですが、現役教師の松尾英明さんによると、このランキングは「全くあてにならない」のだそうです。松尾さんは今回、自身の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』にその理由と、比較が大好きな大人や学校に偏差値よりも「変さ値」を大事にすべきと進言しています。
偏差値より「変さ値」を
先日実施された、全国学力・学習状況調査について。
今年度も結果が出て、やがてランキングされる。比較されないといっても、ネット上ではご丁寧にされる。ただし、公立校のみの結果である。都道府県別のデータは公立小中学校の結果しか公表されていないためである。
以前にも述べたと思うが、再確認。県別ランキングは、ほぼ全くあてにならない。国立大の附属校と私立校の結果が一切入らないためである。特に私立校が多い都心部等の地域では、そこを入れると結果が大幅に変わる。この無駄なランキングは、変な競争意識とダメな優越感&劣等感、危機感を煽るだけである(比較しない、あなたはオンリーワンだと子どもに口で言いながら、大人も子どもも比較が大好きなのだから手に負えない)。
偏差値とは、平均値を中心(50)とし、平均を重んじる思想の表れである(ちなみに私は大馬鹿なので、教師の職についてしばらく経ってから各学校に「偏差値」があることを知った。数学で多少やっていたはずなのだが、必要性がなかったため、記憶から消えていたのかもしれない。自分の学校選びに偏差値を全く見てこなかった証拠である。大学選びの際も「小学校教師を目指すのに東大にまで行く必要はなさそう」ぐらいの感覚だった)。