というのも、近年似たような言語現象が起こったからである。例えば数十年前、音楽メディアはレコードからCDに変わった。にもかかわらず依然としてそれを制作する会社は「レコード会社」と呼ばれている。加えてそれを販売する店を「レコード店(屋)」と言うことも今では少数派かもしれないがあるにはある。
また今世紀に入って映像メディアはビデオからDVD、さらにはBDへと変わったが、それを貸し出す店は変わらず「レンタルビデオ店」のままである。
上記2例においても、取り扱われる物(レコード・ビデオ)と取り扱うもの(会社・店)という関係を見出すことができる。おそらく「茶碗」等と同じ理屈であろう。
このような言語現象は、その名詞が表す物に対する我々の親疎の気持ちを表しているようでどこか面白い。
そこで今、敢えて身近な物で予想してみる。将来あらゆる書籍が電子化された場合、本がほとんど並んでいない「本棚」が出て来るのではないだろうか。
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