3.観光資源としてのファッション
北海道の文化や歴史を紹介するなら、アイヌの歴史や文化は外せないだろう。アイヌに伝わる織物、柄などを使った工芸品を作れば、土産物としての需要も高いはずである。 北海道には繊維産業と呼べるものはほとんどないが、こうした文化を基本にしたコンセプトでモノ作りを行えば、他県で生産したとしても、それが北海道の特産品になるはずである。 単なるTシャツであっても、その柄がアイヌの伝統的な柄であることが重要であり、そこから北海道テキスタイルのブランディングが可能になると思う。
4.国際交流ファッションイベント
札幌市は中国の瀋陽市と姉妹都市である。瀋陽には魯迅美術大学がある。例えば、日中両国共催の「大自然と共生するサスティナブルファッションコンテスト」はできないだろうか。あるいは、同じテーマのアニメショートムービーのコンテストでもいい。 とにかく、まずは学校同士のイベントからスタートし、そこに行政や企業を巻き込むことを考えたいと思う。
多分どこの都市にも姉妹都市は存在するが、多くの場合マンネリ化した地味なイベントが行われるだけで、盛り上がりはない。若者が参加したくなるような魅力的なテーマのイベントを企画できれば、最終的には観光資源にもなるだろう。
いずれにせよ、ファッションは時代を動かすパワーを秘めている。個人の趣味嗜好だけで取り組むのは勿体ない。プロを目指すなら、ファッションで世界を動かそうではないか。
■編集後記「締めの都々逸」
「一つ一つのイベント育て 地域を盛り上げ 楽しもう」
何でもそうですけど、現実になるかならないかの時に、いろいろと妄想するのは楽しいものです。常に企画段階は楽しい。具体的に動き出すと苦労ばかりです。最初の企画に夢があれば、現実的な苦労も耐えられるというもの。そんな仕事をしたいと思っています。 北海道とは何となく縁ができそうです。面白いことができたらいいな。時間はかかっても、いつかは分かってもらえる。そんな気持ちで頑張りたいと思います。(坂口昌章)
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