幼い頃に寓話や昔話から教訓を得たという方、多いと思います。しかし…、長けてから親となってあらためて読み返してみると、疑問に感じる部分も多々出てくるものではないでしょうか。今回の無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』では著者で心理カウンセラーの吉田こうじさんが、子供に寓話を読み聞かせる時に留意すべきポイントを紹介しています。
アリの人生とキリギリスの人生、どっちが幸せ?
今日はお子さんに「寓話」「昔話」を読み聞かせることが多いであろうお母さんに向けて大切な話をしたいと思います。
幼い頃、『アリとキリギリス』という童話を母から読み聞かされ
- サボってはいけない
- コツコツやり続けなければいけない
- 快楽に流されてはいけない
- リスクを予想し対処しておかねばならない
こうしたことを幼心とはいえ何となく学んでいました。おかげで社会人になってからもまあまあそこそこやってこれたと思います。案外、こういう無意識に入っている「物語」が思考や行動に影響を与えていることって多いです。
実際、昔から読み継がれている寓話には先人たちの知恵っていうのがぎゅっと凝縮されていたりするので、とても示唆に富んでいることは間違いないと思うのですが、伝え方を間違うとかなりネガティブな影響を与えるてしまうこともあるんじゃないかなと思ってます。
例えば『ウサギと亀』。
こちらの寓話も、サボらずにコツコツやっていれば、強いものにも勝てるとか、困難に思える目標でもコツコツやっていけば絶対に報われる的な、一応、サクセスストーリーのように思うのですが…。
そもそもの疑問なのですが、ウサギが亀のことを「足が遅い」とバカにした際に、どうして亀は「お前こそ水の中で生きていけねーだろ!」とやり返さなかったのでしょうか?
幼い頃から兄と兄弟喧嘩をしてきて圧倒的な力の差というものを嫌という程実感していた僕としては、残念ながら圧倒的に力の差がある分野でいくら頑張っても、現実は物語のようにはいかないことを幼いながらも体験的に知っていたからです。それも亀がウサギにかけっこの競争を持ちかけるんですから、幼心に「なんかおかしいな…」って思ってました。
で、大人になって、色々と心の闇の部分について深く掘り下げることをして気づいたことは、亀の生き方こそがまさに「劣等感」の塊であり、「他人軸」の生き方そのものだってことです。
亀には本来、水陸両方で活動できるというとても優れた能力があります。また、外敵から身を守る硬い甲羅も持っているし、とても長寿だし…、とにかく亀には亀の素晴らしい特徴があるんです。なのに、そこで勝負をするのではなく「たとえ負けたとしても、もっともらしい言いわけができる」ウサギの得意分野であえて競争しようとするわけで…。
この時点で亀は自分軸ではなく他人軸の人生を生きちゃっているんじゃないかなって思うんです。