中学3年の受験生にとっては大事な大事な夏休み。普段は学校や塾任せの親も、この長い期間をどう過ごさせどんな勉強をさせたらいいのか悩みます。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんは、そんな相談に、受験勉強の先輩や塾の講師に聞いた夏休みの「塾以外での勉強法」について教えてくれます。さらに、親がしっかりサポートすべきことについてもアドバイスしています。
夏休みの勉強で結果を出すには
Question
夏休みが始まり、息子は高校受験の勉強をしていますが、基本的には塾任せです。夏休みを有効に使うための勉強法を知りたいです。(高校受験生のお母様より)
柳川さんからの回答
中3生はこの夏休みが「大量の時間を使って勉強する」初めてのタイミングかもしれませんね。どうやって過ごしたかによって受験の合否が決まると言われますから、大事にしましょう。学習塾の活用は周りの受験生からの刺激もありますので、とても良いと思います。
先輩たちや塾講師がお勧めする「学習塾以外での」勉強法をご紹介します。
1.勉強場所は複数作る
自宅で勉強していると、携帯やテレビ、マンガなど誘惑がたくさんあります。そこで、図書館や塾の自習室、ファミレスなど、勉強に集中できる環境を複数作っておきましょう。
図書館も近所に限らず、隣町の図書館を利用すると、知り合いにも合わず、集中も途切れず、新鮮な気分で勉強できます。環境を変えて気分転換もできます。
2.中1、中2の復習を
主要3教科の復習は早めに終わらせましょう。夏休みの受験勉強のための問題集や参考書は買う必要はありません。きっと買ってもやらずに本棚に眠ってしまいます。それよりも、主要3教科の復習に力を入れましょう。英語や数学が苦手な生徒は、基本的に中1、中2の内容理解不足が原因です。だからこそ、この時期に基礎から復習しましょう。
・英語…単語帳の利用が一番お勧めです。夏休み中に集中的に単語と熟語の勉強を進めておきましょう。
・数学…過去問やこれまで解いた問題集で間違えた問題をコピーし「間違いノート」を作り、1ページに1問ずつ貼って、自分の「苦手問題ノート」を完成させましょう。解説を読んで理解したら、数日後に再び解いて、解けない問題を一つ一つ無くしていきましょう。
・国語…語彙をできるだけ増やしておくことです。漢字、熟語、ことわざ、慣用句、故事成語、古文の歴史的仮名遣い、古文単語、文法、漢文訓読法などです。
3.過去問の活用
自分の県の過去問に挑戦しましょう。未学習の単元もあると思いますがとりあえず、一通り解いてみましょう。解く理由は自己分析をするためです。どの単元のどの問題が苦手なのかを洗い出すことが重要です。苦手単元がわかったら、その単元を夏休み中に基礎から完成させましょう。
家庭教育アドバイス…「夏休みこそ生活リズムを整えよう」
受験に合格する生徒は、夏休みも規則正しい生活習慣を続けています。最低限、早寝早起きの生活リズムは崩さないように注意しましょう。油断して夜更かしや、食事時間のずれなどが積み重なると夏バテに繋がります。生活習慣と体調管理の徹底をするところから受験はもう始まっているのです。
親としてできることは、「勉強しろ」と言うことではなく、勉強しやすい環境を整え、子どもの生活習慣と体調管理のサポートをすることです。
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