猛暑日が続き、暑すぎて何も考えられないと感じている方も多いかもしれません。そんな暑い日々のことを、英語で “dog days” と言うんだそうですが、一体なぜ?今回の無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』では、著者の須田將昭さんがその由来を解説するとともに、古代の人々と星の関係を考察しています。
真夏におおいぬ座?
「熱中症に注意」の警告文を見ない日がない、というくらいに暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
この暑い日々のことを、英語で “dog days” と言う、と知り合いの通訳の方から教えてもらいました。犬は暑そうだもんなぁ…ということではなく、この dog は「おおいぬ座」に関連しているということで驚きました。
「おおいぬ座」は真冬の星座です。みなさまもよくご存知のオリオン座の足元にいます。全天一明るい星「シリウス」が輝いていますし、形もしっかりした星座なのでわかりやすいです。
最初は「おおいぬ座も、真夏でも明け方にはぎりぎり見えるけど…」と思っていたのですが、まさにその「明け方ギリギリ」がポイントでした。
シリウスは先程も書いたように全天一明るい星ですから、夜明け前、少々空が明るくなりかけても見えています。真夏には、日の出前に見えていますが、そのシリウスが太陽を引き連れて上ってくる時期は猛暑、酷暑の時期。だから、暑い時期のことを “dog days” と言う、ということのようです。
なるほどと思いました。
シリウスはおおいぬ座の一等星なので、英語圏では別名 “the Dog Star” と呼ばれています。そういったところも、“dog days” と関連しますね。
ただ、こういう「明け方の星」がきっかけになった言葉というのは珍しいのではないかと思っていますが、それはこれから少しずつ調べてみたいと思います。
ポイントは、古代の人々がいつ星を見ていたのか?です。日没後しばらく眠くなるまで… ならわかります。明け方まで見ていたのでしょうか。もちろん「天文官」のような役職の人は、そのような仕事をしていたでしょう。そして、いつの季節にはどんな星空かということを記録し、そこから暦を作ったり、農作業やあるいは気候との関連を調べたりしていたに違いありません。
星空というのは、古代の人々にとっては、ゆるぎない道しるべだったに違いありません。
北半球の人々には北極星は、いつも同じ方向に輝くありがたい存在でしたでしょう。季節ごとに現れる星座も、これまた季節の到来を知らせる貴重な目印だったに違いありません。一方で、勝手な動きをする惑星たちには、頭を悩まされたでしょう。
古代の人々がどんな思いで空を見上げていたか、そんなことを考えながら夜空を見上げるのもまた楽しいものです。
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