それ銀行にきいてみよ。親から子へ事業承継で注意すべきポイント

 

銀行にたたかれる

これは、銀行の担当者に自社の事業計画書を見てもらうということです。

経営を引き継ぐまで、銀行と交渉をするのは先代の役目でした。いわゆるお金の工面ですね。銀行とは長年付き合っていますから、担当者との信頼関係も出来ています。ですから、多少経営に問題があっても大目に見てくれることもあるほどです。ところが、後継者との関係になるとそうはいきません。銀行は厳しい対応をしてきます。実はこれが後継者を育てることになるのです。

つまり、融資や返済の交渉は先代ではなく後継者の役目にします。すると銀行は、しっかりとした事業計画書による説明を求めてくるでしょう。多くの場合、銀行の担当者はその事業計画の甘さをきつく指摘してきます。それも生半可な言い方ではありません。徹底的にたたかれることになります。「こんな計画書ではお金を貸すことはできません」と言われるのがオチです。

先代のときとはまるで対応が違います。これは銀行にとってごく当たり前のことです。融資をしたお金が焦げ付いては困ります。後継ぎが経営者としてどれくらいの力があるか、まだ分かりません。当然対応が厳しくなります。

実はこのことが後継ぎにとっては良いことなのです。銀行に言われたように、事業計画書の見直しをしなければなりません。そして銀行に信頼されるにはどうしたらいいかを考えることになります。つまり、銀行にたたかれることで、より経営に真剣に向き合うようになるでしょう。さらには資金繰りの大変さが分かることにもなります。経営者として成長するには、何度も何度も銀行に顔を出す習慣をつけることです。

お分かりでしょうか。これが「銀行にたたかれて経営力をつける、ということです。

以上、3つのことを実行して、さらに優れた経営者になるよう進んでいきましょう。

■今日のツボ■

  • 親子で事業を引き継ぐときは、しっかりと経営が伝えられない
  • 後継者は、自ら経営力を身につける努力をしなくてはならない
  • 外部での勉強、第三者からの学び、銀行との付き合いが重要である

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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