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4. スクーリングとZOOM会議ゼミ

個人の人生に対して、一人の人間が教えられることには限界がある。多くの人の意見を聞いたり、ディスカッションをしながら、自ら会得していく。これは学校でも職場でも同様だろう。学校での人間的成長は、教師による授業だけではなく、友人との議論や対話によって醸成されていくことは間違いない。その意味で、クラスメートを作ることは重要だ。インターネットスクールでもクラスメートの設定は欠かせない。

教師の主な仕事は、「問題提起」「情報提供」「コーチング」である。授業のイメージは下記の通り。
月に一回、スクーリングを行う。ここでは問題提起と情報提供を行う。学生間の交流も図る。ある意味で、クラス意識を持ってもらう。補足として、書籍の紹介、ブログやNOTEの紹介、動画の配信等も行う。

書籍の紹介は重要だ。大学を卒業する条件として、どれだけの書籍を読むべきか、という基準があれば、それをクリアするだけでもかなりの教育効果はあるだろう。書籍リストは大学に負けないレベルにしたい。学生からも書籍やWeb上の資料等を紹介してもらい、共有する。

スクーリングに出席できない人は、ZOOMで参加する。リアルタイムで参加できなければ、後からビデオを観てもらう。週に一回、ZOOM会議でゼミを行う。スクーリングに関する質疑応答、新たな問題提起と情報共有を行う。互いの顔も確認できるので、実際に会って話をしているのと変わらない効果が期待できる。

これを6カ月行い修了。最後に修了パーティーを行う。卒業生はSNSでグループを作成し、その中で情報交換したり、新たなコースの希望等を出せるようにする。それらの情報を基に講師を選定し、新たなコースを作っていく。今の段階ではリアルな学校に負けない教育ができると思っているが、いかがだろうか。

編集後記「締めの都々逸」

「書物読み込み 師と友がいて 議論 酒飲み 人となる」

学校って何だろう。何が揃えば学校になるんだろう。文科省は教授や講師、土地と建物、教室、研究室、図書館があれば学校が成立すると考えているが、これを実現するのは大変な資金が必要だ。

ネットを活用すれば、不動産はいらないのではないか。図書館もあるに越したことはないが、必要な図書リストを公開する方が現実的ではないか。

残るは教授陣だが、立派な学歴と業績があっても、その人の講義が役に立つとは限らない。偉い教授でも十年一日の如く、つまらない講義をしているのでは価値がない。そもそも、何年もの時間を束縛されて、高額な授業料を支払うだけの価値があるのかを考え直すべきだと思う。

そんなこんなで、今後は個人の学校や塾が増えるだろう。その先駆者になりたいものだ。(坂口昌章)

image by:Shutterstock

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