香港でも嘘をつく中国。怒った英も参戦する米国覇権戦争の情報戦

 

情報戦の主戦場はウイグル

さて、ウイグル問題。中国は昔からウイグル人にひどい人権侵害を行ってきましたが、ほとんど問題視されていませんでした。しかし、米中覇権戦争がはじまったので、情報戦に使われるようになり、注目されるようになった。

そして、イギリスは、積極的に情報戦でアメリカの味方をしています。イギリスBBCが旗振り役になってウイグル問題を盛り上げている。なぜ、イギリスは、反中になったのでしょうか?この国は2015年3月、親米国家の中でいち早くAIIBに参加し、アメリカを裏切ったのに…。

実をいうと、イギリスは、中国がウソをついたことに激怒している。どんなウソ?1997年、イギリスから中国に、香港が返還された。その時中国は、「50年間は一国二制度を維持すると約束した。それで、イギリスは、いろいろな基盤を香港に残した。ところが、中国は、この約束を破っている。今年7月、イギリスは、約束を守らないと「重大な結果」がもたらされると警告していました。

中国と英国、香港の抗議行動めぐり関係悪化

(AFP=時事 7月4日)

 

【AFP=時事】中国の特別行政区・香港での大規模な抗議行動をめぐり、中国と英国の関係が急速に悪化している。中国は3日、英国に対し「さらなる介入を慎む」よう求め、英国は駐英国の中国大使を呼んで抗議した。

英国のジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)外相は中国に対し、抗議行動を「抑圧の口実」にしないよう要請。中国が22年前に英政府と交わした約束に違反することがあれば「重大な結果」がもたらされると警告した。
(同上)

もちろん中国は、その後も約束を破りつづけた。結果、イギリスが、アメリカの側に立って反中情報戦に参戦してきたのです。情報戦の主戦場は、香港とウイグルです。イギリスの公共、国営メディアBBCは、何を報じているのでしょうか?たとえば、

後頭部に電気ショックを……中国のウイグル人収容所で BBC News Japan 11/25(月)16:56配信

収容所でひどい人権侵害が行われていることが報じられています。是非ごらんください。さらに。

中国政府、ウイグル人を収容所で「洗脳」 公文書が流出

BBC News Japan 11/25(月)13:12配信

 

中国西部の新疆ウイグル自治区にある、高度の警備体制が敷かれた収容施設で、中国政府がイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出した文書によって初めて明らかになった。

収容施設は過去3年間に、新疆ウイグル自治区内で建設されてきた。イスラム教徒のウイグル人を主体に、100万人近くが裁判を経ずに施設内で拘束されているとみられている。
(同上)

別の文書からは、ウイグル人の拘束と収容の規模がわかる。ある文書は、2017年のわずか1週間の間に、新疆ウイグル自治区の南部から1万5000人が収容施設に入れられたとしている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国担当責任者ソフィー・リチャードソン氏は、流出文書は検察当局に活用されるべきだと話す。「これは訴追に使える証拠で、甚だしい人権侵害が記録されている。収容者は全員、少なくとも精神的拷問を受けていると言っていいと思う。自分がいつまでそこにいるのか、まったく分からないからだ」

(同上)

これらの報道を受けて、ポンペオさんは、中国政府に強く抗議しました。

米長官、新疆の弾圧即時停止を ICIJ入手のウイグル文書受け

11/27(水)8:41配信

 

【ワシントン共同】中国政府が新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数民族ウイグル族らを監視する大規模システムを運用していたことが報じられたのを受け、ポンペオ米国務長官は26日の記者会見で「恣意的に拘束された人々を即時解放し、自国民への弾圧をやめるよう中国政府に求める」と訴えた。

print
いま読まれてます

  • 香港でも嘘をつく中国。怒った英も参戦する米国覇権戦争の情報戦
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け