【カンブリア宮殿】なぜ串カツ田中は倒産危機から復活できたのか?

 

大阪B級グルメを全国に~ダントツ人気の舞台裏

大阪の味を打ち出す串カツ田中だが、本社は東京都品川区にある。創業は2008年で社員はおよそ250人。店舗スタッフを合わせると3000人を超える。本社の一角では秋に向けた新作串カツの試食が行われていた。社長の貫啓二は「毎日食べるが、飽きないし、胸焼けもしない。それは自信があります」と言う。

新しい店舗の場所も積極的に探している。出店戦略部では6人のエキスパートが物件探し。「幅広く網を張って、串カツ田中に合う場所を探していく」(貫)のだ。まずストリートビューで気になるエリアをくまなくチェックする。そこには独自のポイントも。串カツ田中の店舗の6割は住宅街にあるのだが、スーパーや駐輪場の近く、バス通りに面した物件が狙い目だという。

「近くにスーパーは自転車置き場があると、例えば自転車を置いたときに店舗が気になるものなんです。家に帰って、家族と『行ってみようか』と。バスに乗っていて車内から見えるところも串カツ田中に向いています」(出店戦略部・近藤昭人部長)もちろん住宅街だけでなく、繁華街も狙う。7月にはサラリーマンひしめく東京・新橋の駅前にも進出。オープン当日、にぎやかなチンドン屋さんの声と共に営業開始すると、店舗はあっという間に仕事帰りのサラリーマンでいっぱいになった。

串カツ田中では、サイドメニューにも大阪の庶民の味が揃っている。お好み焼きのような一皿は、大阪のB級グルメ、「葱まみれチー平焼き」(390円)。卵の中にはトロトロのチーズがたっぷり入っている。「かすうどん」(640円)は揚げもつの入った大阪流シメの一杯だ。

店内で「チンチロリンハイボール」が始まった。2つのサイコロを振って、出た目の合計が偶数ならハイボールが半額。ゾロ目なら無料になる。ただし、奇数なら料金は倍。とはいえジョッキも通常の倍のメガサイズで出てくるから、何が出ても損はしない仕組みだ。

ファミリー層だけでなくサラリーマンの心も掴んだ串カツ田中。創業から10年で、年内には221店舗になる予定。売り上げも右肩あがりで去年は55億円を叩き出した。「1000店舗の出店を計画しています。焼き鳥、焼き肉、ラーメン、寿司に匹敵する、日本を代表する食文化に串カツを育てられたら、と思います」(貫)

串カツ田中_02

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