島耕作のような会社員人生を送るためには、どう生きればよいのか

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1983年、講談社の青年誌「モーニング」誌上に課長として登場し、今や相談役にまで登り詰めた弘兼憲史の人気漫画・主人公『島耕作』。実に40年近くに渡り読者を惹きつけ続けてきたその理由は、どこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』で、島耕作シリーズの大ファンを自称する小原一将さんが、その魅力に迫っています。

今の自分を生きよう

私はマンガがとても好きで、かなり小さい頃からマンガと共に生活をしている。私の家は変わっていて、両親が二人ともマンガ好きなので私たち兄弟がいくらマンガを読んでいても怒られたことはない。

むしろ、どんどん買ってくれたし、父親が持っていた影響でキャプテンやドカベン、釣りバカ日誌などを読むようになったほどだ。ドラゴンボールやキングダムなど王道のマンガも読むのだが、その中でも私は「島耕作」という作品が好きで何度も読んでいる。こちらのメルマガではなぜ島耕作を私が好きで読んでいるかを真面目に考えてみる。

島耕作は一般のサラリーマンであり、苦難を乗り越え大企業の中で出世を重ねて社長となり、今や相談役という立場にいる。この人が出世したり人望を集めたりする理由として仕事ができるというのはもちろんあるが、私はもう一つ理由があると思っている。

それは自分の人生を生きているということだ。

人は色々な周りの事象に影響を受けて生きている。人間社会で生きていく以上、それは避けられない運命である。本当の自分自身というものはないのではないかとすら私は考えている。

そんな中、島耕作は色々な出来事に振り回されながら、失敗を重ねながらも自分らしく等身大の自分として迷いながら進んでいく。ここが男として、そして一人の人間としての魅力だろう。

華々しい経歴や、圧倒的な外見を持っているわけではない。今自分ができることを最大限実行し、周りからの影響を最小限にして進んでいく。これは一見、当たり前で普通のことのように思うかもしれないが意外と難しい。

私も含めて普通の人は、失敗からは目を背けたいし、良いことは誇張したい。自分はもっとできると思っているし、全然できないとも思っている。周りに好かれたいと思っているし、放っておいて欲しいと思うことも多い。些細なことに一喜一憂し、無駄なことに多くの時間を費やしてしまう。

もちろん、島耕作もそのような一面は持っている。しかし、彼はそれをなるべく減らし、すぐに前を向いて歩き始める。そのような姿が周りの人を惹きつけるのだろうと思っている。

私たちは自分というものを大きく見せたり、小さく見せたりと忙しい。時には演じて、時には本音をさらけ出して生きていく。

よく等身大の自分で生きようという言葉があるが、あれは半分正しいと思っている。背伸びする必要もしゃがむ必要もない。良い意味で人の人生に人は興味がないし、自分もそれほど他者の人生を気にしてはいない。

どこかにいる今より良い自分を目指して生きるのではなく、今ある自分の通り生きれば良いはずだ。そのように生きる人は、地に足が着いていて、器が大きい。人を非難したりしないし、精神的にも落ち着いている。

まさに島耕作もこのような人である。私はこの作品を読みながら、このような人物になれるようにと日々努力している。

image by: Shutterstock.com

小原一将この著者の記事一覧

■医師を目指して二浪したが実力不足のために薬学部へ。しかし、薬学には全く魅力を感じられなかった。哲学や心理学などの本を読み漁り、サークル活動やフリーペーパー作成など大学生活を薬学以外に費やした。 ■薬剤師資格を持たないまま卒業し、臨床心理士を養成する大学院へ進学。しかし、臨床心理学の現状に落胆。 ■薬学の勉強をし直して薬剤師資格を取得。薬局に勤務し今に至る。 人間とは何を考え、どのように行動するべきなのかを大学生活の4年間で考え抜いた。友情や恋愛、道徳や倫理などジャンルにとらわれないものを提供する。

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【著者】 小原一将 【発行周期】 毎月1,11,21,日

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