「1人で爆笑した」この言葉、どこが間違っているでしょうか?

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1人で爆笑した」「東大合格者を1人輩出した」これらの言葉はごく普通に使っている言葉ですよね。でも、実は使い方が間違っているんです。何がNGかおわかりですか? このように、普段当たり前のように使っている言葉だけれど、実は本来の意味を間違えて覚えていた…というような経験、お持ちではないでしょうか。今回の無料メルマガ『仕事のメール心得帖(無料版)』では著者の神垣あゆみさんが、そんな間違いがちな言葉をピックアップし紹介しています。

憮然とした顔、どんな顔?

間違って使いやすい言葉をピックアップして、ご紹介しています。

「憮然とした表情」というのは、広島弁で言う「はぶてた表情」、つまり「腹を立てた表情」のことかと思っていました。

しかし、「憮然」の本来の意味は、失望・落胆してどうすることもできないでいる様子、もしくは意外なことに驚き、あきれている様を指します。

ですから、「憮然とした表情」というのは口をへの字に曲げたぶすっとした表情ではなく、失望のあまり、あっけにとられた顔のことです。

もう一つ、「檄を飛ばす」というのは「がんばれ!」と励ましたり、活気づけたりすることだと思っていましたが、実は、自分の主張や考えを広く人々に知らせ、同意を求めることが本来の意味です。

「檄(げき)」とは檄文、自分の主張を述べて同意を求め、行動を促す文書のこと。

「檄を飛ばす」は、檄文を方々に飛ばすように自分はこうなのだ、こうしたいと多くの人々に知らしめ、決起を促すような行為ということになります。

こうして言葉の意味をたどっていくと、漢字や言葉の印象から受けるイメージで意味を勝手に取り違えていることが多いことが分かります。

1人ではなく大勢で

「爆笑」「乱入」「輩出」この3語に共通していることは何でしょう?

いずれも「大勢の人」によってなされる行為であること、です。

「爆笑」は、大勢の人が一度にどっと笑うことで、大声で笑うことではありません。ですから、「1人で爆笑した」ではなく「1人で大笑いした」とするのが適切な表現と言えます。

「乱入」は、大勢の人が無理やりどっと押し入ること。1人が勢いよく押し入ってきたとしても「乱入」とは言いません。「興奮した観衆がフェンスを越えて乱入してきた」のように使います。

「輩出」は、優れた人物が続々と世に出ることを意味し、たとえ優秀な人材でも1人や2人くらいでは「輩出」とは言いません。「人気女優を輩出してきた大手プロダクション」のように使います。

現在では1人の場合でも「爆笑」「乱入」「輩出」という言葉が使われていますが、本来の意味は「大勢の行為」を指すことを覚えておきましょう。

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仕事上手はメール上手! 「ご返事」「お返事」どちらが正しい?
メールで間違いやすい敬語の使い方は? など、気になるビジネスメールの基本やマナーをご紹介。2005年1月創刊、まぐまぐ大賞「ビジネス・キャリア部門」入賞。「迷わず書けるメール術」など、メール対応関連の著書8冊刊行。まぐまぐ!から有料メールマガジン「仕事のメール心得帖」も配信

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【著者】 神垣あゆみ 【発行周期】 平日日刊

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