新型コロナウイルス感染防止の観点から、さまざまな会議のオンライン化が進んでいます。マンションの理事会についてもオンラインでの参加を可能にしたところ、若い世代の出席率が上がるという予期せぬ収穫があったとの報告も。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、そんなオンライン会議の利点とともに、実際に開催してみて判った問題点やその解決法を紹介しています。
オンライン活用理事会で気を付けること
こんにちは!廣田信子です。
理事会にオンラインで参加できるようにしたら、若い理事の出席率がよくなった…という話を聞きます。一方で、オンラインでは、自分の言いたいことをうまく伝えられない方もいる…と意見交換会で話が出ました。それをカバーするために、理事会の1週間前には、議事や検討資料を送って、事前に全員が見られるようにする。理事会前でも、ネット上で意見交換ができ、みんなが共有できるようにする。といったように、かなり丁寧に事前の準備がされているようです。
ただ、理事会の会議以外でもいろいろネット上で意見交換があり、理事会もオンライン開催となると、どこまでが正式に理事会の中で話し合われたことなのかが不鮮明になりがちです。どんなにネット上で意見交換があっても、正式な理事会で俎上にのらなかったことは、理事会議事録に残さない等のけじめも必要だという貴重な意見も出ました。
ハイブリット型の理事会については、オンラインとリアルの間で、タイミングがずれることもあって、聞き取りにくい、意見を言いにくい等の課題があります。ご意見の中でも、オンラインで参加した理事は、話を聞くだけで発言しない傾向がある…と。
ただ、それは、慣れていないからということも大きいと思います。慣れることで、意見を言うタイミングやパソコンの操作が分かって、だんだん意見を言いやすくなると思います。私自身も、回を重ねるごとに慣れてくるのを感じます。議長から指名して発言の機会をつくるなどして、オンラインでの発言にも慣れてもらうことで、改善されていくと思います。
そして、意見を言いやすくすることと同時に、意見はそれぞれ異なっても、最後はそれを調整して一つの結論を出そう…というマインドが必要だということも話題になりました。もともと人間関係の対立があるところでは、まとめようという力が働かす、思考が、提案の欠点探しに向かってしまいがちで、議論がまとまりません。オンラインを活用することの是非の議論ところで、止まってしまっているところもあります。日頃から、対立関係にならない合意形成をめざしていることが、緊急時にも、新たな仕組を取り入れる時にも、重要なポイントになるのだと思いました。
オンラインのつながりだと不足しがちなものには、
- ちょっとした情報交換(雑談)をすること
- お互いの人となりを知って親しみを感じること
だと思います。お互い気心が知れているメンバーだと、オンラインでも、あまり行き違いがなく進められますが、一斉に総会で交代した新理事の方々が、いきなりオンライン理事会というのは、大変だろうと思います。その場合は、
- オンライン懇親会から始める
- オンラインがダメな方とは、電話等で1対1でコミュニケーションを取る
など、まずは親しくなる工夫も必要かもしれません。
コロナ禍ゆえに、必要に迫られ、オンライン活用や様々な工夫をした経験は、コロナ後にも、きっと活きると思います。
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