KDDI社長の言葉に滲んだ不満。菅総理「値下げ」発言への抵抗と本音

 

かなり厳選された言葉が並んでいた。しかし、節々には「これまでも総務省に言われたことはやっている」「Society5.0を進めていくために5Gネットワークを作っていくのにお金もかかる」「災害対策もしなくちゃいけない」「UQモバイルという料金プランの安い選択肢もある」「株主の手前、企業として成長もしなくちゃいけない」という本音がチラついていた。

ただ、個人的に聴きたかったのは菅総理からの難癖をどう感じているかという点だった。「利益率20%なんて儲けすぎだ」「電波利用料を上げてやる」というプレッシャーに対して高橋社長はどんな答えを用意していたのか。利益率20%の発言については「先ほどお話しした内容が全て。いずれにしても利益率も大事だと思うが、大事なのは国際的に比較しても、しっかりと遜色のない料金が大事。そこが一部、劣っているというご指摘ではないか。そこに着目して検討していきたい」と明確な回答は避けた。

一方で、電波利用料の見直しについては「電波利用料について、よくわからないところがある。これから議論がされていくのではないか。単純にはコストが上がると(料金に)反映していくことになるが、このあたりは正確に総務省からお話をいただいているわけではないので、議論を見守っていきたい」と困惑している感があった。

総務省としては年内にも方向性を示したいなんて話があるようだが、それにしてはあまりに時間がなさすぎる。キャリアとしても、方向性が見えなければ、料金値下げに着手できない。総務省がどう出てくるかが注目と言えそうだ。

image by:madamF/Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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