性教育のNGワード「赤ちゃんはコウノトリが運ぶ」は子供に悪影響です

 

ただ「性教育をすることで余分な知識を与えてしまうのでは?」とお考えの方も少なからずいらっしゃることは確かです。では性教育は必要なのか必要ないのか?ですが、それを証明する数字があります。アメリカでは1990年代、10代の妊娠率はなんと11.7%でした。ところが懸命な性教育を実施したおかげで今は2.7%まで下がったそうです。努力している国はとても多く、オランダではわずか0.5%。スイス・フィンランド・ドイツ…各国で効果が表れています。

日本でも少しだけ前例があります。秋田県でも1990年代、10代の人工妊娠中絶率が日本全国平均の1.5倍はありました。そこに危機感を感じた教育委員会が地元の医師会と連携し医師による性教育講座を県内の高校・中学で始めたところ、2011年には1/3まで減少しました。

国連の調査においても、適切な性教育を受けた子どもは「性行動に慎重になる」という事が分かっていますが、性についてオープンにするのではなく「正しく教える」事が大事なんです。が、日本ではほんの一部の地域だけであり、ほとんどの子供たちはその「必要な性教育を受けていない」のが実情なんですね。

でも、子育て中の方の多くが「私に性教育?できないよ!」と言われると思います。例えばあなたのお子さんに「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」とか「僕のおちんちん筋肉もりもりになっちゃった」と言われたら何と答えるでしょう。実はそんな風に「初めて性について質問した時」こそが、性教育を始めるベストタイミングなのです。

これは、テキストでもお願いしていますが、そんな時、絶対にしてはいけない事は「そんな事知らなくていいの!」と怒ってしまうことや、ギョッとしてドギマギしてしまうことです。また「こうのとりが運んでくるんだよ」とか「キャベツの中から生まれるんだよ」のように嘘を言わない事。子供は何の疑いもなく、とても素直な気持ちでお母さんに聞いてくるのですから、その時に「知らなくていいの」と怒ったり、ギョッとした顔をすると、それだけで子供は「あ、この事については触れてはいけないんだな」と察知します。又、こうのとりの話や、キャベツから生まれてくるなんておとぎ話は必ず「嘘だった」と分かる時が来ます。そして「触れてはいけない事」と悟った子供や「本当の事を教えてくれない」と知った時は、その後一切親に聞くことなく、黙ってネットで検索をするようになるのです。

中には「お母さんは今まで何回セックスしたの?」とまるで「今日のご飯は何?」と同じテンションで聞かれた…そんな方もおられます。純粋な疑問から生まれる、そのような質問が、いきなり子供の口から飛び出してくるのです。そんな時、なんと答えるでしょうね? 瞬時に返答ができるでしょうか?「う~~~ん」考えちゃいますよね。当然です。

 

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