地震のときはどうでしょう。東日本大震災では、「長周期地震動」が問題になりました。「長周期地震動」とは、大きな地震が起きたときに生じる周期が長い揺れのこと。震源地から離れていても揺れが伝わる特徴があります。基礎部分から上にいくほど、建物がしなるように、数メ─トルの幅で揺れるのです。その振れ幅は高層階に行くほど大きくなります。これはかなり怖いものです。
また、大地震では、エレベータ─が止まることも考えられます。地域的に停電した場合や電気施設が水没した場合は、その復帰まで、エレベータ─は使えません。低層階は、エレベーターが止まっていても、階段を使えば、生活に大きな支障は出ません。何かあったときは、地上に近い、屋外に逃げやすい、というのは、安心感にも繋がります。あるマンションでは、有名な芸能人の方が、エレベータ─を使わず、駐車場に出られるというので、3階を購入したと聞きました。
防犯については、低層階のほうが狙われやすいかというと、タワーマンションは、外壁部分に死角になるところがないので外壁のつたっての侵入盗の話をあまり聞きません。と、いろいろ低層階のメリットを話してみましたが、(高層階にお住いの皆さん、すみません)最後、経済的にはどちらがお得かというと、マンション内の共用施設はすべての住人が同じように使えます。
今は、たいていのタワーマンションは最上階にラウンジ等があるので、それをフル活用すれば、自宅より素晴らしい眺めに出会えます。また、土地の共有持ち分割合も、部屋の広さに比例します(最近の分譲では、土地の持ち分割合に、購入価格を反映させるという考え方も出てきていますが…)。同じ平米数なら、価格が安い低層階を買って、同じように共用施設を使うことができ、土地に対する権利も同じだったとしたら、お買い得だと言えそうです。
1,000万円安く買えるというだけでは、奥さんが納得しないだろうから、その1,000万で、月々の返済がどれだけ抑えられ、その分で年1回、豪華な家族旅行ができる…というプレゼンをしたら、納得してもらえるかも…と夫さん。今は夫婦間でもプレゼンか~と私。
メリット、デメリット並べてみたけど、最後は、ステータスという周りからの評価が勝つか、家族旅行や安全という家族の価値が勝つのか、なのかな~と。プレゼンの結果が聞きたいです。
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