死をも覚悟。台湾の特急列車脱線事故で日本人乗客が見た地獄絵図

 

また、乗車していた2名の日本人についても詳細が報道さされています。以下、報道を一部引用します。

男性は2日、台湾出身の妻の先祖の墓参りのために、大学生の長女と「タロコ号」(8両編成)に乗った。連休で並びの席が買えず、男性は先頭から4両目(5号車)、長女は3両目(6号車)に座った。

 

車内で寝ていた男性はガクンという大きな衝撃で目を覚まし、足元にずり落ちた。脱線したと直感し、兵庫県で2005年4月に起きたJR宝塚線脱線事故を思い出した。断続的な車体の揺れのなか、手で頭を守りつつ、死を覚悟した。「ガンガンと階段を落ちるような衝撃だった。もし死ぬなら痛みを感じないようにして欲しいと願った」

 

停電した車内で、周囲の乗客が携帯電話のライトで所持品を探したり、脱出方法を話し合ったりし始めた。油の臭いが漂うなか、男性は「落ち着こう」と周囲に声をかけ、長女の身を案じながら車外へ出て、トンネルの出口に向かった。車内のトイレで息絶えている女性を目撃したという。

 

トンネルの外で、後から出てきた長女と合流。長女も乗客女性が亡くなった姿を見ており、男性を見て涙を流したという。

 

救急車で運ばれた病院で、男性は肋骨と足の指にひびが入っていると診断された。長女に目立った外傷はなかったが、精神的ショックから、一時的に食事ができない状態になった。

ガクンと衝撃、死を覚悟 日本人乗客が語る台湾脱線事故

事故の直接的な原因とされている重機の運転手についても続報がどんどん上がっています。重機のサイドブレーキをかけなかったことが滑落した原因ではないかという指摘に対し、運転手はサイドブレーキはかけたと主張しています。台湾のテレビカメラが、この運転手を追いかけて問い詰めていました。

衝突の工事車「サイドブレーキかけた」台湾

この「タロコ号」は、清明節で帰省する人が多く乗っていたということですが、どうやら立ち席の人も多くいたという情報もあります。また、この車両構造はJR九州の「白いかもめ・ソニック」と基本的に同じで、日立製作所が開発・製造したものだということです。

損傷が激しく身元が分からない遺体に関しては、DNA鑑定をするそうです。蔡英文総統は、すぐに負傷者のいる病院を見舞い、事故の原因究明を徹底すると言っています。

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