支離滅裂な転職を繰り返していた女性が「アドラー心理学」に救われたワケ

 

ちょっと御相談がありまして:「幻想を抱いてくれるな」

このコーナーでは、皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。形式も、Q&Aだったり、対談形式だったりと、柔軟に。今回は初回につき、永藤の知り合いからの相談を、本人に許可取りつつ微妙にボカシてみました。

Question

shitumon

流通系大手で、長年受付をやっています。どうやら私の顔は、必要以上に親しみやすく見えるらしく、いろいろな方に声をかけられます。業務に関係のあることであれば、仕事なので笑顔で丁寧に答えるようにしています。しかしながら、それ以上の「何か」を期待されたり、勝手な幻想を抱かれたりすることが連続して起こると、本当にうんざりします。

先日も取引先の男性から「ぜひ二人でお食事に」と言われましたが、そもそもコロナ禍で家族でも友達でもない人と食事に行くなんてありえないし、その人に対してもまったくその気がないので丁重にお断りしたところ、ものすごい不機嫌な顔で捨て台詞を吐かれました。曰く「そんな顔で気をもたせるなよ」と。

気をもたせたつもりは一切ないし、もちろん過剰なお世辞やらボディタッチやらはまったくしていません。「なんなんだろう、腹立つわー」と思いながら、自分のタレ目丸顔を恨む日々です。

【永藤より愛をこめて】

ああ、うん、そうですね。明るい笑顔と丁寧な接客のタレ目丸顔の人。そりゃ親しまれますわ、一方的に。

私たちは誰もが見た目の印象に左右されます。『人は見た目が9割』という本がベストセラーにもなりましたし。「見た目で損をする」、例えばすこぶる機嫌がいいのに「怒ってる?」と言われてしまうようなタイプの方からすれば、あなたはずいぶん得をしているように見えるかもしれません。ちやほやされてる、とか、ひいきされてる、と思われるかもしれません。でもそういうことじゃないんですよね、あなたが言いたいのは。嫌なものは嫌なんですよね。

今からいうことが100点満点の答えかといわれると、もっと効果的なことがあるかもしれませんが、まあそこはひとつ。ちょっと意識を「目つき」に向けてみてはいかがでしょうか。

業務上笑顔で丁寧に、という行動面は今のまま変えず、「目つき」だけをお仕事モードにする。それは「死んだような目で口角だけ上げる」ではないので、その点は間違えないでいただきたいのですが、「目つき」って割とその人が戦闘モード(業務用)なのか、オフモードなのかがくっきりと出ると思うのです。

そこがあいまいなまま、ただ笑顔だと、あなたのお仕事での丁寧さや親切さに対して、「なんかこの人、オレに気があるんじゃないかなぁ」と勘違いしちゃう輩が今後も出てきてしまうと思うのです。「わがまま聞いてくれるんじゃないかなぁ」とかね。

私が個人的に思う「目つきの使い分けのプロ」は、航空会社のCAさんたちです。とくに日本のエアラインのCAさん。常に笑顔だし、最高に丁寧で親切だけど、たぶんプライベートで見せる目つきとは違う、接客のプロの目つき。そんじょそこらの下心を寄せ付けない、あの目つき。あれが意識できたら、「腹立つわー」なことがかなり減ると思いますよ。

※本記事は有料メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』2021年6月11日創刊号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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