コロナ後の世界
そして、コロナ克服したコロナ後を考えると、日本の時代が来るように感じる。このコラムは、神道的な自然と人間の共生をするべきと強く主張してきたが、その時代がコロナ感染症により、世界に広まった気配を受ける。
1つには、脱炭素社会の実現に向けて、世界が動き始めた。その中心が太陽光発電である。自然と人間の調和において、太陽が重要な位置にいることを示している。まるで天照大神の信仰ということで神道的な展開になっている。
2つには、弱者や敗者に配慮した経済システムにやっと、米国も変化した。米国は弱肉強食の新自由主義の経済システムであったが、民主主義の大多数の国民は、そのような新自由主義経済を拒否したことが大きい。そして、製造業の復活に動き始めた。
3つには、国民の自由をITの技術で縛る中国の国家体制に、米欧日が協力して対応し始めた。今までは、中国の安い労働力を使い、安い製品を作る方向できたが、中国を排除して、脱炭素での適正な価格の製品を民主国は一致して求め始めた。
新自由主義ではなく、民主的で倫理に基づく資本主義に転換するようであるが、これは、江戸時代の近江商人の「三方よし」の考え方である。そして、新実存主義のマルクス・ガプリエルも、「これからは倫理資本主義」と言っている。
しかし、これらは、日本神道的な江戸時代の経済であり、日本の思想の見直しが必要になる。現代の日本人は、アメリカンナイズされて、日本が世界から遅れるのではないかと心配された。
しかし、日本はリユースが、近年大々的に展開されてきた。メルカリが最初にリユースビジネスに火をつけたが、その後、実店舗でのリユースも活況になってきた。セカンドストリートやトレジャーファクトリー、ブックオフなどのチェーン店が大量に出てきた。
このリユースで粗大ごみが減っていることになるし、安値で買えることで、給与が少なくなった労働者の大きな味方である。
リサイクルも活況であるが、リサイクル業者の株価は軒並み大幅な上昇をしているが、再資源化のコストは高い。なるべく、リユースで使う方がコスト的には有利である。
このリユースが盛んな江戸時代では、古着屋が多く存在していた。新しい着物は今でも100万円もするが、古着であれば30万円程度で、それより古い古着は3万円になって、庶民にも手が届いた。庶民は、古着しか買えなかったのである。リユース店は、この現代版になっている。
もう1つ、規格外の野菜や果実が売れるようになってきた。また、売れ残った大量在庫の食料品も売れるし、それを売る店も流行り始めている。
この活動で食品ロスも減ることになる。
日本が貧乏になり、それに合わせて社会システムも更新されているとも言えるが、地球環境、自然と人間の共生という意味では非常に良いことである。江戸の完全循環型社会ではないが、徐々に循環型社会がコロナにより姿を表してきた。
というように、日本では無意識のうちに神道的な対応をしているようなのである。このシステムを世界に拡散させることが、日本企業の役割でもあるとみる。
さあ、どうなりますか?
国内外の動向をリアリスト(現実主義)の観点から予測・評論する、津田慶治さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: f11photo / Shutterstock.com