日経新聞では「リカレント教育の充実に向け、企業のニーズに合わせたカリキュラム充実など大学改革を議題とする。働きながら授業に参加しやすくしたり、学び直しを適切に評価したりする企業側の取り組みの具体策を練る」との表現で企業のニーズを示すことで、「学び直し」がリスキリング教育とつながり、「誰もが」が限定した人へのスキル教育に帰結してしまわないか不安になる。
多様化と柔軟化、それは「学び」の入口に誰でも立てることの前提の言葉だと解釈すれば、やはり支援が必要な人もこの議論に当然として入れるべきであり、これまでの高等教育がインクルーシブな質を帯びていないことは国際比較を見ても明らかで、さらに地域で障がいのある人も学べる環境もまだまだ未整備である。
成長分野の人材育成に向けても、障がいのある人が学びたい意思を尊重するのも、「学び」への可能性を追究することでは同根で、この深い議論こそが、未来の創造を豊かにする道なのだと思う。
さらに「教育改革」で思うのは、「人はどう生きるのか」という問いかけを考える哲学や倫理を大真面目に議論できる環境を整えるのも根本的な改革につながるのではないかとの思いがいつもつきまとう。
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