韓国という独裁国家。政権批判の大学教授が解雇される反民主主義

kp202200221
 

「クリーンな政権」を謳ってきた韓国の文在寅大統領ですが、「裏の顔」もしっかりと持ち合わせていたようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、政権を批判した私立大学の教授が大学側から再任用を拒否されたというニュースを取り上げ、教授へのインタビューを翻訳して紹介。その上で、少しでも政権に批判的な人間に対して圧力がかけられる現状を強く批判しています。

小さな事件だけど象徴的かも

一人の教授が再任用を拒否されたというある意味小さな事件なのだが、現政権の素顔を見るようなのでメルマガにアップした。大田(テジョン)のある私立大学で昨年12月、教授再任用が拒否された教授がいる。当事者は2014年から培材(ベジェ)大学周時経(チュ・シギョン)教養大学で副教授を務めている呉華錫(オ・ファソク)教授=経済学博士。呉教授は昨年5月と7月、『文在寅の裏切り』(疎通と共感社刊)と『崩れた正義』(共感書房社刊)という現政権の批判書を出している。同教授は2019年には曺国(チョグク)元法務部長官の退陣を求める「前・現職教授の時局宣言」にも名を連ねている。この培材大学は、偶然にも文在寅大統領の義理の弟の金教授が副総長を務めている。学校側は「再任用拒否理由は、個人情報なので具体的な理由は公開できない」としながらも「再任拒否と本の出版は全く関係がなく、一方的な主張にすぎない」という立場を明らかにしている。

中央日刊紙記者出身の呉華錫教授は、米ハワイ大学で経済学修士・博士号を取得し、インド・ザワハラルネル大学(JNU)でも国際学部客員教授として経済学を教えたことがある。培材大学教授として働いている間は、フィリピン・マニラにあるアジア開発銀行(ADB)コンサルタントにも名を連ねた。『スーパーゾウ、インドが来る』『100年企業の力、タタに学べ』『マルワリ商人』などインド経済及び経済人と関連した多数の書籍も出版している。現在、呉華錫教授は教員訴請審査委員会に対し、「再任拒否処分の取り消しを求める」という訴請審査を請求しており、今年5月ごろに結果が出る予定だ。2月8日に会った呉華錫教授は「責任時数といった枝葉末節の問題をとらえて教授の生命線である再採用を拒否したのは明らかな不当解雇」とし「学校側が圧力を受けたか、あるいは自ら機嫌を伺ったとしか説明できない」と糾弾した。次は彼との一問一答(朝鮮日報)である。

― 大学側が主張する再任用拒否理由は

 

責任の時数が足りないといっている。ただし、再任用を拒否できる評価項目のうち、責任時数という項目はない。再任用関連の評価項目は△業績評価△服務評価△講義評価△部署評価の4つだ。私はこれら4つの項目のすべてを満たした。責任を負うべき時数を含めた部署評価で、すでに基準(60点以上)を満たしている。学校側はこれではいけない(解雇にできない)ので、別途に「責任時数評価」というのを新たに作成し、再採用を拒否した。明白な違法だ。

 

― 責任時数不足のせいで再採用が拒否された事例があるか

 

ないと聞いている。教務処長を直接訪ねて尋ねた。培材大学の40年余りの歴史上、責任時数が問題で再任用が拒否された事例は1件もなかったことを確認した。

 

― 再任用を拒否された本当の理由は?

 

いくら調べても昨年出版された本(『文在寅の裏切り』『崩れた正義』)のほかにはない。大学とトラブルがあったとか、誰かとトラブルがあったわけでもない。

 

― 誰が再任を拒否したと思うか

 

(文在寅大統領の義理の兄弟である)金副総長が直接・間接的に関与したか、大学側の人たちが勝手に判断したものだと思う。それとも現権力にいい印象を与えようとしたのかもしれない。

 

― 文大統領の義理の兄弟が副総長だったとは知らなかったのか

 

副総長どころか、私はこんな方が学校にいるのも知らなかった。

 

― 再任用拒否が本と関係があるのか、学校側に聞いたのか

 

教務処長に「本のせいか」と聞いてみた。教務処長は「絶対に違う」と言った。当然違うと言うだろう。認めたら大変なことになるわけだから。

 

― 文在寅大統領への批判書を書いたきっかけは

 

私は経済学者で、インドやASEAN、中南米などグローバル経済を専攻している。国内政治にはあまり関心がなかった。これまで出版した本も、大半がインドなどグローバル経済に関するものだ。ところが3年前の曺国事態を経て、文在寅政権の「ネーロナンブル」な言動や暴政にあきれてしまった。民主と正義を勲章のように常に振りかざしていた人々の素顔を見た瞬間、衝撃を受け、そして憤った。私はもともと政治的に中道だ。中道でも中道進歩に近い方だった。しかし、文政権の暴政に憤り、夜遅くにコンピュータの前に座ってキーボードを叩いたことを思い出す。

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