NATO加盟で注目のフィンランドはなぜ5年連続で幸福度ナンバーワンの国なのか

Multicolored facades of buildings in Helsinki, the capital of Finland, the traditional Scandinavian architecture, Ullanlinna, Huvilakatu
 

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

80年代のフィンランドは、「北欧の日本」と自称するほど経済成長していたのだが、洋服は古くならない。昔の服やセカンドハンドで買った服を着るのは普通だった。女性も毎日、服を取り替える必要はなく、連日、同じ服でも構わない。消費的ではない反面、住居など生活の基本がしっかりしていた

フィンランドの教育は無償で強い平等思想を持ち、社会的な格差を減らすことは目的の一つだ。それは、格差を広げる新自由主義に抵抗するものでもあるのだが、世界の教育ランキングという新自由主義的な行為によって評価されたのは皮肉でもある

日本では、福祉は社会的弱者に対する上からの公的なサービスや施しを指し、困窮したときに受けるものと理解されている。しかし、フィンランドのウェルビーイングは、自分の体感から発して社会と国家につながっていくものだ

フィンランド政府は住まいの安全を進めるために40歳以下で最初の家を買うことを奨励していて、家購入の敷居は日本よりずっと低い

フィンランドでは、人間関係としてパートナーが中心で親子関係より優先される

フィンランドの保険の教科書は、「自分のジェンダーとセクシュアリティを生涯固定してしまう必要はない(中略)。さまざまな人生の過程において(中略)揺れ動いて構わない」と教えている

働く人の権利とウェルビーイングを重視する立場から、フィンランドでは派遣という働き方には否定的だ

フィンランドは朝が早い。スーパーは、朝6時か7時には開く。会社やオフィスは、8時から4時勤務が多い

サマーハウスやヨットを持つのはお金持ちというわけではなく、普通の人も持っている

日本の分娩は、60年代のフィンランド

「国民の健康」は国家の義務

本書のタイトルを見て、「手当てが厚いから、そりゃ幸せになるだろ」と思った人がいるかもしれませんが、どうやら違うのは、根本的な思想のようです。

ウェルビーイングを実現するための根本的な考え方の違い、社会制度設計のヒントが書かれた一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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