中国経済に飲み込まれる前に。日本を救う「家康の時代」の再来

 

米国や中国の状況を見たらわかりますが、いわゆる経済成長というものが、ひとにぎりの大金持ちの財産の増加だけを意味し、その恩恵が大多数の国民にまわることがない、というのが世界の現実です。いわゆる格差が増大し、ごくひとにぎりの富裕層と、それ以外の貧困層とに社会が大きく二分されてしまうのです。このことは400年前の秀吉の時代も同じです。

実は戦国時代から信長の時代にかけての日本は、戦後の復興期と同じで、あらゆるものに破壊と再生が繰り返された時期にあたります。そしてこの時期、最も進歩したのが国内の農業生産高で、食糧事情の好転を目指して、実際に競争(戦い)が激しく起こった時代でもありました。そして同時に、庶民の暮らしが、たいへんに大きく成長した、これは一億総中流化と呼ばれた戦後の高度成長の時代が始まる前の状況と、実は同じものであったということができます。

続く秀吉の時代は、そうして生まれた富が、寡占化された時代です。まさに秀吉は、その寡占化された富の偏在に税をかけることによって、秀吉自身が莫大な財力を得たのです。

けれどいまの日本において重要なことは、むしろ家康の時代の再来です。家康は、佐渡の金山を抑えることで、それまでの国内の富とはまったく別次元の富を創造し、それによって国内の体制をいっきにあらため、世界最強の財力と軍事力を手に入れた上で鎖国を実施し、富と権力を切り離すことで、下層の者ほど富を得るという仕組みを作り上げました。そして日本社会を完全に安定させ、財力よりも徳が大切という日本の国柄を築き上げています。

よく縄文文明に学べという言葉を聞きますが、縄文期の社会構造に最も近い社会を築き上げたのが、実は家康の時代であったともいわれています。

秀吉の時代(高度成長経済)の時代ではなく、いま人々が求めているのは、これまでとはまったく異なる枠組みの経済と、政治社会の構造なのではないかと思います。そしてそれは実現可能なことです。

日本をかっこよく!!

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静岡県出身。国史研究家。倭塾塾長。日本の心をつたえる会代表。日本史検定講座講師&教務。インターネットでブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。 著書に「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人」第1巻~第3巻。「ねずさんの日本の心で読み解く百人一首」がある。

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