円高でも原油安でもプロパンガス料金には反映されなかった!
さて、LNG輸入価格は石油価格に連動していますが、1973年頃までは1バレル3ドルにも満たない安い原油価格(WTI)が、70年代の2度にわたるオイルショックを経て急激に上昇し、80年代初めにはピークの30ドル台を付けました。
その後、原油価格は低迷しますが、概ね20ドル前後をはさむ形で小刻みに上下するも、ほぼ安定していました。
しかし、21世紀に入ってからは、乱高下しながらも右肩上がりに値を上げ、ピーク時の08年代半ばには140ドル近くまで高騰します。
その後は同年9月のリーマンショックを経て40ドル近くまで急落するものの、10年ごろ には再び100ドルを超える水準にまで戻します。
そして、米国シェールガス増産の影響もあって、14年半ばから再び急落したのち、60ドル前後まで戻すものの、再び下落して30ドル台を付けたりで、2018年に再び60ドル台に上がったかと思いきや、下落して20年4月には20ドル台まで下落し底を打ちます。
しかし、2022年3月にはロシアのウクライナ侵攻で100ドルを超え、2022年9月現時点では、やや弱含みで推移しますが、100ドルをやや下回る高値水準となってきたのです。
非資源国の日本にとっては、こうした原油価格高騰のデメリットは計り知れないほどの甚大な影響を受けてしまいます。
円安とのダブルショックで、電気代やガス代はもとより、輸入物資全般に影響は及びます。
日本人が海外旅行する際には燃油サーチャージが加算され、もちろんクルマのガソリン代や冬の暖房用の灯油代も高くなります。
このままさらに円安がすすめば、エネルギー価格高騰で日本中があらゆるダメージに晒されるわけです。
ところで、かつて円高となり、石油価格が下落した時点でも、家庭用のプロパンガス料金は下がりませんでした。
つまり、そのころから平気でボッタクリ料金が続いていたわけです。
しかし、今回の円安と原油高によっては、今後においてプロパンガス料金はじりじりと今以上に値を上げていくことも否めません。したがってプロパンガス利用者は、そのための対策も急務となってくるのです。
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