昔も今も変わらず。人間の欲と狂気に溢れた「本当は恐ろしい」世界史

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今も昔も、人間は変わらない。それを教えてくれる「世界史」の本があります。今回、メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の著者、本のソムリエさんが紹介するのは、 人間の欲望や狂気に溢れた世界史にフォーカスした一冊です。

人間の欲望や無知、狂気は、今も昔も不変。【一日一冊】本当は怖い世界史: いつの世も人間は変わらない

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本当は怖い世界史: いつの世も人間は変わらない

堀江宏樹 著/三笠書房

人間の欲望や無知、狂気は、今も昔も変わらないということを教えてくれる一冊です。

「欲望」といえば、人間が子孫を作り繁栄してきたのは強力な性欲のためでしょう。そして、人が権力を持つと性欲を抑えることができなくなるようです。

例えば、愛妻の早すぎる死を悼んでタージマハルを作らせたムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンは、年に1度、女性を品定めするため、8日間にわたる市場を開いていたという。

ルイ15世の筆頭愛人(すごい表現)であったポンパドゥール夫人は、セックスが嫌いだったので、自分で少女を集めたルイ15世のための娼館「鹿の園」を運営していたという。総計300人以上の少女たちが、ルイ15世に奉仕し、60人もの私生児が生まれたというのです。

「王冠を被った娼婦」…エカテリーナの最愛のパートナーとされているのが、グレゴリー・ポチョムキンという優秀な軍人でした(p84)

「無知」といえば、今考えると、なんでそんなことをやっていたのか?ということも興味深いものです。

例えば、放射性物質といえば、現在ではごくわずかでも風評被害がでるくらいですが、1929年の時点で成分が放射性である健康のための医薬品が、80品目もあったというのです。

1934年にキュリー夫人が、ラジウムの放射線による白血病で死亡しているように放射能の危険性はわかっていなかったのです。

15世紀から18世紀にかけてカトリック教会に支配されていたヨーロッパでは、魔女狩りが行われていました。ドイツでは、2,000人あたり約3人が魔女として処刑されたという統計があるという。

ヨーロッパは日本より進んでいるというイメージがありますが、このような無知による失敗を経験しながら科学技術を発達させてきたということなのでしょう。

ナイチンゲール…生まれたのは、1820年…当時、病院に行かねばならないのは下層階級だけでした…看護婦とは、売春婦が兼業するような卑しい職業と認識されていた(p24)

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