EV(電気自動車)よりもHV(ハイブリッド車)を購入する人がまだまだ多い日本。世界の流れはEVへと向かっていますが、日本も徐々にその流れになるのでしょうか。メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で、人気コンサルの永江さんは、豊洲市場ではターレがほぼEVになっているように、使う理由があるところでは確実に普及していくと解説。ただし、よほど条件が揃わないと家庭用乗用車としての浸透は難しく、災害の多い日本では、HVの安心感を選択することになるとの見解を示しています。
EV(電気自動車)は日本社会に浸透するか
Question
いつも、勉強させていただいております。自分はクルマ好きで、よくクルマ関係の動画、Webサイトをみております。この頃思うのは、EVは本当に日本社会に浸透するのか?ということです。以前にも他の方も質問していたかもしれませんが、永江さんの見解をお聞かせください。
永江さんからの回答
EVは日本でも有効なところでは既に浸透していますが、これ以上は価格が下がり充電性能が劇的に上がらない限り難しいだろうと思います。
実は既に日本でもEVが普及しているところはあって、例えば、豊洲市場のターレ(小型の三輪運搬車)はほぼ全てが電動になっています。屋内で動くので排気ガスを出したくないし、動く時間は朝と決まっていて毎日充電できるので、EVの方が適しているから全部切り替わっているんです。
家庭用の乗用車でも、家の近場で買い物だけする用途なら、EVの値段が安くなって、住宅に充電設備が整い、電気料金が安くなればもう少し普及するでしょう。使う理由があれば浸透していきます。
ただ現実的には、わたしのように日常的に長距離ドライブする人も多く、雪や災害がある日本で家庭用乗用車として普及するのは難しいでしょう。
雪や災害時に高速道路で一夜を過ごすなんて事態になったら最悪凍死のリスクもあります(ガソリン車なら軽トラで給油してくれるサポートもありますが、EVでは移動式の充電もできません)。また災害時にもバッテリーがなくなったらそこで終わり。HVならガソリンさえあれば発電できます。うちの車も1200Wの100Vコンセントが2つ付いています。日本は総じて災害国なので、EVはあまり浸透しないだろうと思っています。
わたしは週末にサーフィンやスノボに行くので走行距離が長いですし、ハイブリッド車だとガソリンさえあれば災害時にはご飯も炊けるしスマホも充電できる非常用発電機代わりにもなるので、EVに買い換えることはないですね。
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