「話題のChatGPTを使ったビジネスを考えたいけど、どこから始めればよいか混乱している」という経営者からの相談に回答するのは、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんです。赤羽さんは、ChatGPTを使ったビジネスをする際に踏むべきステップと、おすすめのサービス案を伝えています。
ChatGPTを使ったビジネスを考えたいのですが、どこから始めればいいでしょうか。
Question

営業支援の会社の社長をしています。社員20人ほどです。もともと技術系でもあり、ChatGPTが大変に話題なので何とかそれを使った事業を考えたいと思います。ただ、中途半端な情報があふれていることもあり、どこから始めるのがよいか、混乱しています。進むべきステップをご教示ください。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。ChatGPTは急激に進化していますので、素晴らしい着眼点だと思います。
まずは、新事業立ち上げチームを3~5人で結成してください。ChatGPTにはまり、かつなるべくITへの知見がある人がいいです。ITへの知見がなくても、スマートフォンやPCを普段から駆使している人がいいです。
新事業立ち上げチームのリーダーは、会社のエース投入をお勧めします。売上最大というより、総合的に見て、経営者的視点があり、成長意欲があり、会社の将来にコミットしていて、ChatGPTにほれこんでいる人ですね。
チームの仕事は、まずはChatGPTを使い倒すことです。深津貴之さんのブログやYouTubeが大変参考になります。設定、条件、命令を明示することで、今のChatGPTは一番よい結果を返してきます。
ただ、設定のしかた、条件の書き方、命令の指示のしかた、回答への質問のしかた、さらなる絞り方などで、どれほど有用かが変わりますので、試行錯誤が必要です。
また、今のChatGPTに特に向いている作業とそうでない作業がありますので、それも見つける必要があります。
ChatGPTはまだ成長途上なので、日本語でのやりとりではなく、手間でも英語でのやりとりのほうがはるかに有用な回答になることも十分考えられます。学習データ量の差が比較できないほど大きいからです。日本語で質問し、ChatGPTに英語で回答してもらってから翻訳してもらうほうがよいことも多いかと思います。
さらに、ChatGPTの先端的ユーザーを10人ほど見つけ、彼らから学べることは徹底的に学ぶ必要があります。幸い、YouTubeやブログ、Twitterなどに開示してくれています。あるていど経験を積んだら同様に発信を始めます。
エンジニアでなくても、またITに強くなくても、問題なくできます。発信することで先端的ユーザーの仲間入りもでき、さらに有用な情報が集まります。
ここまでが準備です。2週間程度ですませます。
得た知見をもとに、ChatGPT活用による新事業案を50ほど出します。それを市場の魅力、競合優位性、自社との親和性、立ち上げスピード、ChatGPT関連スキル獲得への貢献などで評価し、20に絞ります。
その後は、メンバー一人ひとりが4~5ずつの新事業案を検討し、ChatGPTを活用してMVPを作ってしまいます。
1週間後にそれらを持ち寄り、評価委員会にプレゼンして3つに絞ります。
チームを3つに分けて、さらに1週間、その3つを仕上げていきます。
1週間後に、1~3のサービス開始を決定します。成長性、収益性、競合優位性、自社との親和性、ChatGPTにとっての得意領域かどうかなどからですね。
こうやって4週間で最大3つのサービス開始が可能になります。
サービス案としては、占い、いのちの電話、恋愛相談、面倒な上司との接し方、転職相談など多種多様なものが考えられます。どちらにしても急速に成長中のChatGPTの得意領域でどう勝負するかを考えて進めていくのがポイントかと思います。
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