猫や犬が病気になると、飼い主さんは薬を飲ませるのに苦労することがあるようです。人間の子供用の『おくすり飲めたね』のような、薬を飲みやすくする商品は作れないか?との質問を受けたのは、メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』著者でボストン在住医学博士のしんコロさん。微妙な味の違いにも敏感な猫には難しいようで、しんコロさんが飼い猫の「しおちゃん」に抗がん剤などの薬を飲ませるときにしている工夫を教えてくれます。
『おくすり飲めたね』の猫(犬)用は作れないのでしょうか?
Question
しおちゃんも苦いお薬飲むのはイヤな様ですが人間用には龍角散から出ている『おくすり飲めたね』という物があります。猫(犬)用のは作れないのでしょうか?最近日本では良くCMを視るので猫、犬用のもあれば飼い主さんも飲まされる本人も精神的ダメージが減るかな?と思ったので。
しんコロさんからの回答
『おくすり飲めたね』という製品はフルーツの味をつけた粒状のゼリーのようなものですね。苦い粉末の薬などはこのゼリーで包んでしまうと、薬をいやがる子供がすんなりと飲めるというものですね。
犬には錠剤やカプセルを固形のおやつの中に入れて食べさせるという製品があります。固形おやつが凹になっているものです。犬はわりと勢いよく食べてくれるのでこういった製品は使えますが、猫の場合は敏感なので難しいです。
チュールのようなペーストを使う手もありますが、味や匂いがちょっと違っても食べてくれないのです。なので、猫の場合は強制的に投薬をする必要がどうしても出てくると思います。液状であればシリンジで与えることができますが、錠剤やカプセルではハードルが上がります。
しおちゃんも抗がん剤とFMTのカプセルをとても嫌がるので最初は苦労しました。現在は薬を飲ませるためのピペットのようなものを使っています。長細い器具の先が柔らかいシリコンになっており、そこに錠剤を挟み込みます。しおちゃんの口を開いて、口の奥の方にこの器具を入れて、そこでボタンを押すと薬がリリースされます。指で行うよりも喉の方に薬を落とせるので、飲み込みやすくなります。
この時、薬に少しウェットフードをつけて湿らせておくと、スムーズに飲み込むことができます。そして薬を飲ませた直後に目の前にウェットフードを置いて「ごはんの時間」にします。薬の嫌な時間をできるだけ忘れさせるという意図ですが、今のところこの方法がうまくいっています。
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