日本でスターバックスが成功した要素が、今後の足枷になる!?
スターバックスは日本に進出してから、日本は米国、中国に続き第3位のビッグマーケットとして成長しました。特に日本の顧客は、スターバックスの店舗が提案する上質なライフスタイルに価値を感じ、同店でコーヒーを楽しむ第三の空間は、日本のカフェにはない付加価値となりました。
そこで同社がとった更なる付加価値の提案は、アラビカ種ブランドコーヒー豆を商品化し、客単価アップで従来の売り上げを獲得する、高級コーヒーリザーブロースタリーコーヒーの店舗展開とともにプレミアムなコーヒー豆を販売する戦略でした。
アラビカ種の中でもトップのクオリティにこだわった日本進出20周年記念の「1996ブレンド」や期間限定のコーヒー豆を提供するリザーブは、確かに上質にこだわる日本のコーヒーファンを獲得しました。
が、本当のコーヒー好きは同社が提案する、どの店舗も同一化された雰囲気の中で美味しさを味わうスターバックスより、独立系店舗がこだわるシングルオリジンの少量しか生産されないコーヒー豆の焙煎、抽出を経た、バリスタの個性が生み出すここしか味わえないコーヒーの美味しさでした。
スターバックスのブランド価値とは?
世界4か国に展開する6店舗、シカゴ、東京、NY、ミラノ、上海、シアトルのリザーブ ロースタリー店舗は、同社がコーヒーを通してコーヒー体験を届ける、世界観そのものでした。
次世代のZ世代も、リザーブ ロースタリー店舗のデザインが生み出す空間を絵面にしたインスタ映えの雰囲気を醸し出すプレミアムコーヒーのゴージャスさに大満足しました。
しかし次世代、Z世代のリザーブ ロースタリー店舗での体験価値は、コーヒーを第三の空間で味わうというものではなく、ゴージャスな非日常でコーヒーを楽しむであったようです。
同社はリザーブ ロースタリー店舗をショールームにして、アラビカ種にこだわるコーヒー業態の店舗を増やしていくことに成長の限界を感じ始めているのです。