精神を病んで休職していた社員が解雇され訴訟へ。裁判の結果は?

CHIANG MAI,THAILAND - February 27,2017: Female Holding Smartphone On Hand And Start Using Twitter Application.
 

会社が勝ちました。その判断の根拠の一つがこの社員がしたツイートでした(実際はツイッターへの投稿だけで判断されたわけではありませんが、その他の部分は省略しています)。

具体的には以下の通りです。

・ツイッターへの投稿の内容によれば、(精神病の症状である)妄想が出現していることが認められる
・復職不許可の前後約1ヶ月にツイッターに投稿した内容によれば復職不許可の時点で、不安定なものであった可能性を否定することができない
・(ツイートの表現は)病院の受診時に医師に伝えた幻聴の内容と同じであり、幻聴の影響でツイッターへの投稿をしている可能性を否定することができない
・以上によれば、休職事由が消滅していたとは認められないから、復職不許可の判断は相当であって、違法無効であるとは言えない

いかがでしょうか?

冒頭にもお話しましたがSNSについてはメリットもデメリットもあります。

あるテレビ番組で、某タレントさんが「世界中のみんながSNSの使い方を思考錯誤している状態」と話をしていましたが、私もまさにその通りだと思います。

その過程で問題が出てくるのはある意味当然でもあり、今後はそれが良い方向へ落ち着いていくのだと思いますが(そう願いますが)今の時点では問題が起きないよう個人や会社が対策をとっていくしかないでしょう。

以前のような社員のSNS投稿による炎上は最近は減ってきたような気はします。

ただ、「バイトテロ」と言われた飲食店系の炎上投稿が、少し形を変えてまた炎上しだしているように、社員の炎上投稿がまたいつ復活してもおかしくはありません。

コロナの終焉で活動が活発になり、そのきっかけになる可能性もあります。

それを防ぐために新入社員研修、管理職研修等でSNSについての啓発をすることも今後は重要になってくるでしょう。

例えば、新入社員であれば、学生では無いので当然ながらSNSへの投稿もある程度の規律が求められます。

また、管理職になれば、知らなかったではすまされないSNSに対する法律知識を求められることがあります。

問題が起きてからでは遅すぎます。

それらの研修を行うことで、労務リスクを効率的に減らすことができるのです。

image by: ideadesign / Shutterstock.com

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【社員10人の会社を3年で100人にする成長型労務管理】 社員300名の中小企業での人事担当10年、現在は特定社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツを「わかりやすさ」を重視してお伝えいたします。 その知識を「知っているだけ」で防げる労務トラブルはたくさんあります。逆に「知らなかった」だけで、容易に防げたはずの労務トラブルを発生させてしまうこともあります。 法律論だけでも建前論だけでもない、実務にそった内容のメルマガです。

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【著者】 特定社会保険労務士 小林一石 【発行周期】 ほぼ週刊

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