今の時代「何でも勧めてくる」服屋の店員が時代遅れな理由

 

今、アメリカのZ世代のトレンドは「購入を勧めない」だそうです。メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、今の若者は「何でも勧めてくる販売員」に嫌悪していると言い、販売員が知るべきコミュニケーションの鉄則を紹介しています。

アメリカのZ世代は「#deinfluencing」がトレンド

少し前のVOGUEの記事で知ってちょっと追いかけていたのですが、現在アメリカのZ世代の間で「#deinfluencing」がトレンドになっているそうです。

● 過剰消費に抗う#deinfluencingはなぜTikTokでトレンドに?──【MY VIEW│竹田ダニエル】
https://www.vogue.co.jp/article/my-view-daniel-takeda-deinfluencing

僕は英語がよくわかりませんが、「De-influencing」とは、「購入を勧めない」のような意味を持つとのこと。

これがトレンドになっているのはTikTokでして、これまでいろんな商品を紹介しバズらせてきたインフルエンサーたちが「この商品を買うのはやめよう」といった投稿をしているのですね。

TikTokで検索をしてみるとコスメ系の話題が中心ではありますが、かなり多くの「いいね」がついていることがわかります。

宣伝会議の記事によれば、アメリカ国内の「#deinfluencing」の再生回数は4月時点で4億3,500万回。年齢別で、18~24歳が69%を占めているようです。

● 米Z世代に大流行、買わないほうがよい商品を紹介する「De-influencing」とは?
https://mag.sendenkaigi.com/senden/202306/us-admarketing/026514.php?utm_source=sdkg_mag&utm_medium=email&utm_campaign=mag_mail_sk_20230518

要するに、若者世代の人たちはこれまで影響を受けてきたインフルエンサーの正直な投稿に共感しているということでしょう。

この話を追いかけていて、あることを思い出しました。昨年まで某専門学校で10代後半くらいの子たちを教えていたのですが、彼ら彼女らと会話をしていた時にこんな話が出たのです。

「何でも勧めてくる人は嫌い」

「これは良い、これは良くないをハッキリ言ってくれる人が信用できる」

この会話は、「良い接客ってどんな接客だと思う?」という質問に対する返答からでした。

ファッション科の学生たちでしたが、洋服を日頃からよく買う彼ら彼女らは、店員に対してこんな気持ちを持って接していたのです。

正直言えば、世代などは関係なく誰しもがそう思うのは当然です。

僕も何でもかんでも「良いですよ」と勧められればそれは辟易します。

でもこれからはより一層、そうした正直さが求められる時代になっていると言えるのではないでしょうか。

もちろん以前からお伝えしている通り、企業は良くないと思う商品をわざわざ作ったり仕入れることはありません。

そんな無駄なコストを支払いたくは絶対にないからです。

ですが、製造・仕入れの段階で「良くない」と思っていたとしても、実際に店頭に並んだ時に商品を直接手に取るのはお客様であり、販売員です。

お客様も販売員も人である以上は、どうしたって趣味嗜好は生まれます。

そこで「売らなければいけない」と考えすぎて、何でもかんでも「良いですよ」とばかりお客様に紹介し続けてしまえば、それは以前までのインフルエンサーマーケティングと同じかもしれません。

販売員もこれまでのインフルエンサーと同様に、企業からお金(賃金)をもらい商品を宣伝しているわけですから。

でもそこに正直な意見があり、良いものは良い、良くないと思うのはやっぱり良くないと言えるのであれば、お客様は信用しやすくなるのでしょう。

これはコミュニケーションの上での鉄則なのかもしれませんね。

店頭での接客ばかりではなく、今はオンライン上での商品紹介をする
機会もどんどん増えています。

それは動画だけではなくて、文章や静止画でも同様のことです。

むやみやたらに良くないことを発信する必要はありませんが、良くも悪くも正直にいるということをこれからはより意識をしておかなければ、お客様の信頼を得にくくなっている時代だと感じます。

今日の質問です。

・お客様に本音で商品紹介ができるようになるためには、どんなコミュニケーション能力が必要ですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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