顧客体験価値を強くするもの
丸亀製麺の企業理念と戦略はこうなっている。
- スローガン:食の感動で、この星を満たせ
- ミッション:本能が歓ぶ食の感動体験を探求し世界中をワクワクさせ続ける
- ビジョン:感動体験No.1
- ストラテジー:KANDO(感動)トレードオン
- マーケティング:KANDO(感動)ドリブンマーケティング(*1)
*1:「ドリブン」とは、仕事上で入手するデータをもとにして、経営戦略や人事配置に関する意思決定を行うこと
これをベースにして、
- 一軒一軒が製麺所(感動体験の舞台)
- 手づくり・できたてのおいしさ(うどん)
- 人の力(おせっかい)
この3つを「感動体験の生命線」としている。この3つが根源価値となって、「感動体験No.1」というビジョン実現につながるように、マーケティング、商品、サプライチェーン、営業、DX、店舗開発・設計、人事等々、すべての部門と連携している。
さらに「顧客体験価値(CX)を強くする2軸の取組」というものが存在する。この2軸とは、一つは「体験の向上」。もう一つは「体験の拡張」である。グラフで示すと「体験の向上」が縦軸となり「体験の拡張」が横軸となる。
「体験の向上」では“感動体験の生命線”である製麺所の風情をお客の感情に伝える。そして、できたて、焼きたて、揚げたて、握りたてを“超”がつくレベルで感じてもらう。さらに「おせっかい戦略」によって、顧客体験価値を向上させていく。
一方の「体験の拡張」とは、丸亀製麺のおいしいうどんが店舗でしか体験できなかったものを、どこでも、いつでも食べることができるようにすることである。具体的には「丸亀うどん弁当」であり「丸亀シェイクうどん」、そして「打ち立て生うどん」を開発して、通信販売を行っている。
丸亀製麺にはこのようなマーケティング戦略が備わっているからこそ、持続可能な経営体質をつくり上げていると言えるのではないか。
image by: 千葉哲幸
協力:株式会社丸亀製麺