農業においても、気候変動に合わせた作付けなどの対策を何通りも準備するべきです。食糧自給率の低いわが国では、国策レベルで食糧備蓄を見直す必要があるはずです。
それに、都会であれ山間地であれ、やたら木を切り倒さないことです。山の木を伐採してメガソーラー(大規模太陽光発電施設)を作れば、それは山が持つ貯水機能を奪って洪水や土砂崩れの原因になります。山の荒廃は海の荒廃につながり、良好な漁場が無くなる原因にもなります。
神宮外苑の再開発計画が良い例ですが、都市に残っている貴重な樹木を切り倒してスポーツ施設やビルを作ろうといった企ては愚の骨頂です。関東一円に広がる広葉樹林は、夏には涼しい木陰を、冬には暖かい陽だまりを提供して来ました。まだエアコンが普及していなかった時代、小学生の私は友だちと走り回って疲れ果て、外苑の木陰で涼んだことを思い出します。林の下を通りぬける風は、優しく火照った子供の肌を冷やしてくれました。
緑の恩恵は昔話ではありません。今現在も、工夫次第で、上手に「緑陰」を作っている人は少なくありません。たとえば、最近流行っているゴーヤやヘチマ、アサガオなどの「つる植物」をネットにはわせて作る「緑のカーテン」は、見た目に涼し気なだけでなく、実際に部屋の温度を下げてくれます。都市計画レベルではなく、身近な生活のレベルでも、「緑」は私たちを極大期の太陽から守る心強い味方になってくれるのです。
要するに、普段から(そして昔から)必要で大切だと言われていることを実行に移すしかないのです。それこそが「未来への投資」です。
私なども、部屋の中の耐震対策で、この夏は、本の数を思い切って減らそうと企んでいます。水と食料の備蓄もやり直します。来年は「ゴーヤのカーテン」にもチャレンジしてみようと思っています。あなたも、楽しく、無理のない範囲で「極大期対策」を工夫してみてください。
そして、確かに「極大期」は2年後ですが、今現在も既にピークに近い時期に入っていることを忘れてはなりません。実際、春以来、NASAから太陽風の警告が何度か出ていますし、アメリカの一部では、停電などの影響も報告されています。また、緯度の低い地域でもオーロラが観測されています。さらには、太陽の活性化に誘発された結果でしょうか、火山活動も明らかに多くなり、地震も頻発しています。既に、眼に見える変化が地球上でも起きているのです。
であるとすれば、夏の猛暑くらいは当たり前なのかもしれません。
ここまで来たら、もう開き直るしかありません。そもそも、「守り」の発想だけでは、限界があります。夏の猛暑も含め、「季節の移ろい」に対して、どのように積極的に関わっていくのか、智恵を出し合いましょう。エアコンの効いた涼しい部屋に引き籠っているだけでは「つまらない」じゃないですか。
「攻撃は最大の防御」
前回も申しましたが、夏の暑さに負けないためには、夏を「楽しむ」のが一番です。
夏の楽しみをみつけましょう。
夏の食材を味わいましょう。
夏のイベントを探しましょう。
夏の「情緒」を満喫しましょう。
そして、友だちを誘って、一緒に楽しみましょう。先人たちが、どのように、夏を楽しんだのか、そこから学ぶことは少なくないと思います。
(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』より一部抜粋)
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