問題は不発弾。それでも非難できぬウクライナの「クラスター弾」使用

 

…ロシア軍という侵略者に関していろいろ言っておいて、ウクライナ軍だって汚い手を使うじゃないかっていう風なね、劣化ウラン弾の問題と合わせて、ウクライナ批判に使われたりしているわけですけれども、で、それに関して私は、それは違うんじゃないかというふうに、この前ちょっと申し上げました。

実はクラスター弾っていう言葉を聞くと、私にはちょっと思い出すことがあって、これね、ネット上でもこれに関して説明はないんだけど、ベトナム戦争の頃に米軍が使った、こういう爆弾があるんですよ。まあ当時は親子爆弾とか収束爆弾とかいう言い方をしたんですが、あるいは形状を捉えて、ボール爆弾っていう風に言われたり。一つの爆弾から子爆弾がたくさん飛び出してくるということなんですけど。

もう一つは「パイナップル爆弾」というのがあったんですよ。パイナップルのようにヒレみたいなのがついていて、小さなパイナップルみたいのがたくさん出てくるんですね。これ、今、パイナップル爆弾って言うと、違うもののことを指す言葉になっていて、歩兵が使う手榴弾のことになっちゃっていて。もちろんそれはそれでパイナップルみたいな格好していますから、手榴弾をそう呼ぶことはその通りだと思うんですが。

それらに関しては、米軍がベトナムで使ったことに対して、かなり強く批判されたことでした。考えてみると米軍は最大時52万でしたかね、大軍をベトナムに派遣して汚い戦争をやったわけですね。まさに侵略者アメリカだったわけですけれど、その時にまあ一つは例えばナパーム弾のようなものの使用であるとかあるいはこの収束爆弾、これはもう例えば、民族解放戦線(米国や日本ではベトナムの共産主義者という意味で“ベトコン”と呼んでいた)の兵士たちが散開しているところにこれを落として、いわば一網打診するとか。

とにかく、米兵は5万人死にましたけれど、ベトナム人の死者は200万人と言われていますので、まあ殺しまくったということを忘れることはできない。ソンミ村ミライ地区の大虐殺とかですね、数百人の村民、基本的に女性や子供を撃ち殺すということがありました。そういう、まさに侵略者としての米軍が、ベトナムで使用した爆弾というのが、クラスター爆弾の意味だったと思っているんです。

ですから今回、ウクライナ軍がクラスター弾をまあどのように使うかということについては、どこに使ったかについての記録を残すとかから、もちろんウクライナの国内でしか使わないこと、さらに住民が残っているような都市部では使わないという、いろんな条件を付け、条件をクリアして使用するということで、実際に使っているようなんです。これ全く意味が違うわけですね。

もちろんクラスター弾が素晴らしい兵器だなんていうつもりもないですけれども、しかしこれだけ激しい侵略を受けていて、総反抗がそううまくいってない中、ロシア軍の陣地であるとか、あるいは塹壕、こういったものを除去して、占領地を解放するという戦いに関して、それに使われる爆弾だということと、それからまあ、現に侵略が始まって、かなり早い時期からロシア軍がクラスター弾を使っていると言われています。

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