『君たちはどう生きるか』を分かったフリする素人の「考察」がウザイ。被害者の声

2023.08.18
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7月14日から公開されたスタジオジブリのアニメ映画『君たちはどう生きるか』。宮崎駿10年ぶりの監督作でもあり、宣伝も一切しないという異例のスタイルでの封切が話題となった。公開から約1か月の本日、声優陣が一挙に発表され、映画に対する世間の関心はまだまだ高いようだ。現在の興行収入は約62億3500万円を記録しており、大ヒットと言ってもいいだろう。

分かったフリをするバカとどう生きればいい?

『君たちはどう生きるか』は内容が難解だったこともあり、評価は賛否両論だが、映画を賞賛する人の中には「考察」の形で、映画評論をするケースも目立つ。

それに「はっきり言ってウザイ」と語るのは、都内で働く20代の男性だ。

「彼女と観に行きましたよ。ただ、はっきり言って何も分からずでした。彼女も同意見で〈久々に映画で眠くなったわ~〉と言っていました」

男性は「分からないならそれでいいはずなのに…」と話しながら続ける。

「多分、高評価を付けている人は、あの宮崎駿の集大成の作品を〈分からない〉と言うのが怖いんでしょうね。自分は芸術を理解できる人間に思われたいから考察をして、分かったフリをするのではないかと思っています」

少々辛口な意見ではあるが、男性は実際に「被害」に遭ったという。

「5回観たという会社の上司です。〈あの役はきっと高畑勲であいつは宮崎吾朗。で、多分あの役は鈴木敏夫かなぁ〉など、ドヤ顔で語ってくる。僕が〈正直あんまよく分かんなかったし面白くなかったです〉と言ったら〈う~ん、まあ、ちょっと若い人には難しいんじゃない?ある程度映画を観てきた人間じゃないと理解はできないだろうね〉と上から目線。確かに上司は映画好きらしいけど、もっぱら邦画派とか。たかが日本映画を多く観ているくらいで調子に乗るのという感じですよ。自分の意見が正しい、はっきり言って『分かったフリをするバカ』とどう生きていけばいいっすかね?」

あんたに宮崎駿の頭の中が分かるワケないだろ

確かに、映画口コミサイトには、男性の上司のような意見もある。自らの考えを持つことはもちろん良いことだが、それは正解とは限らない。なので、他人を巻き込んでしまうのは少し違うのかもしれない。

映画を観たという30代の女性も言う。

「つまらなくも面白くもないというか…。なんか、絵が綺麗で某キャラクターが可愛かったなくらいの感想しかありません。ただ、一緒に行った彼が大のジブリファン。ずっと、〈あのシーンは千と千尋の~〉とか言ってくるのはウザイかな(笑)。私が〈え、そうなの?違くない?〉というとキレ気味で反論してくるんですけど、なぜお前の考え=正解の思考になるのか理解できない。あんたに宮崎駿の頭の中が分かるワケないだろっていう(笑)。てか、彼氏は本当に自分の考えで言っているならいいんだけど、他の人の口コミ見まくってるんですよ。明らかに他人の意見に影響されてるじゃねーかっていう…(笑)」

一方で、こんな声もある。

「別に、自分の考えを押し付ける気はないですけどね。普通に感想を話して、人と共有したいから、僕は自分のブログに長文の映画評を書きました。僕の頭では、あの映画を理解できているつもりです。分からない人から〈分かったフリするな〉とか言われるのは腹立たしいし、違うかと思います」(40代・男性)

『君たちはどう生きるか』の考察問題。皆さんは、どう思いますか?

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