著者は「幸福手帳」というものを作り、自分が幸せを感じたときに、どういう行動で自分が幸せを感じたのかを書き留めるようにしていると言う。このようにしておけば落ち込んだ時、疲れている時もすぐに復活しやすいと言うのだ。
まさにモーニング・ページだな、と感じた。やはり、ジャーナリングはものすごく大事な自己俯瞰法だ。とにかく、「誰かの決めた幸せではなく、自分の幸せに関心を持つ」ということを覚えておいてほしい。
あとは、自然と一体化する、ということがとても生きやすくなる手だてだと、最近特に感じる。簡単にいうと、「しんどいときにはしんどいと言おう」…ということ。
しんどいのにしんどくないふりをして、苦しいのに苦しくないふりをして、自分の感情をごまかしていると、だんだんと自分に対する感覚が鈍くなるし、知らず知らずのうちに、自分を限界の限界まで追い込んでいくことになるからだ。りゅうちぇるさんもその一人ではないだろうか。
iPhoneのバッテリーが残り10%しかないのに、まだ50%ありますよ、というふりをしていると、電池が切れるのと同じだろう。だからタフそうな人がいきなり会社をやめたり、思ってもみなかった人がうつ病になったり、死なないと思っていた人が死んでしまったりするのはそのせいなのではないか。それはすべて弱音を吐かずに我慢し過ぎた結果だと思う。
でも実際に特に昭和生まれは、辛くても弱音を吐かずに「大丈夫」とタフに頑張ることを美徳としているところがある。それが良くない。シンプルにしんどいときにはしんどいと言って駄々をこねるのが良いだろう。でもなかなか駄々をこねる事さえも難しいのがほんとのところ。だからこそ、そういう時は日記に書くのが1番いい。書きなぐるつもりで。
むかつくことや、日々の不満、考えていたこと、これからの事など、日々自分の頭の中に溜まっていく思考や感情をノートに吐き出していくだけで、心がスッキリするものだ。逆に、心の内をアウトプットしないと心にゴミが集積していってしまう。「しんどいときには、しんどいと言おう」、もしくは、「しんどいときには、しんどいことを書きなぐろう」ということ。
「何事も自分で選択すること」と言うのは、簡単なようで意外と難しい──(『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2023年6月17日号より一部抜粋)
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