中国新聞の大スクープ。河井元法相「すがっち500」メモが証明する裏金の出どころ

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2019年に行われた参院選における大規模買収事件で、共に逮捕・起訴された河井克行元法相と河井案里元参院議員夫妻。河井元法相は現在服役中の身ですが、事件の捜査中、「爆弾級の証拠」たりうるメモが発見されていたことが明らかになりました。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、中国新聞がスクープした手書きメモの内容を誌面で紹介。さらにそのメモが裁判の証拠品として提出されなかった裏側を考察しています。

「すがっち500」。安倍菅二階に甘利が河井案里側に渡していた裏金

栃木県にある刑務所「喜連川(きつれがわ)社会復帰促進センター」に服役中の元自民党の元衆議院議員で元法務大臣の河井克行氏は、来年の刑期満了に向けて、所内の「図書計算工場」で真面目に働いていると伝えられています。しかし、ここはその名称からも分かるように、一般的な刑務所とはずいぶん待遇が違っていて、収賄罪で実刑となった鈴木宗男氏が収監されていたことからも分かるように、「VIP専用刑務所」と呼ばれています。

その上、河井氏が担当している「図書計算工場」というのは、刑務所の数々の仕事の中で最もラクチンなもので、受刑者たちの憧れの仕事なのです。冷暖房の効いた室内で、受刑者に貸し出す書物の整理をしたり、PCに向かって各工場で働く受刑者らの勤務日報を打ち込むというもの。木工や金属溶接など肉体労働が中心の刑務所で、この「図書計算工場」は最も狭き門、数百人の受刑者のうち数人しか就くことができないと言われています。

つまり河井氏は、「VIP専用刑務所」の中で「VIP待遇」を受けているというわけで、「法の維持と秩序を司る元法務大臣が法に違反して実刑判決を受けて刑務所に服役する」という前代未聞の不祥事の処罰としては、あまりにも温(ぬる)いような気がします。それにしても、安倍晋三元首相が「適材適所の人選だ」と胸を張って任命した法務大臣が、わずか1カ月で辞任に追い込まれた挙句、実刑判決を受けて服役って…などと呆れていたら、9月7日、中国新聞がスクープを飛ばしました。

河井克行氏が服役することになった原因である2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局が2020年1月に河井氏の自宅を家宅捜索した際に、当時の安倍晋三首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見、押収していたことが分かったというのです。

そのメモはA4判で、上部に「第3 7500万円」「第7 7500万円」と手書きされ、その下に入金された時期が書き込まれていたそうです。これは「安倍自民党から河井案里側に計1億5000万円が2回に分けて振り込まれた」という事実と合致しています。しかし、今回問題になっているのは、その下に書かれた「+(プラス)現金6700」という手書きの部分なのです。ここには、その内わけとして、次のように手書きされていました。

総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100

「総理」とは安倍晋三氏、「幹事長」とは二階俊博氏、「甘利」とは甘利明氏のことだと分かりますが、「すがっち500」とは何なのでしょうか?「フィアット500」ならルパン三世の愛車だし、「モンゴル800」なら沖縄のバンドだし、「LOVE2000」ならhitomiだし…って、こういうお約束も織り込みつつ、「すがっち500」とは、当然、「菅義偉官房長官から500万円」という意味ですよね。

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