なぜSNSやYouTubeに依存する人は「好きなもの」しか見えなくなるのか?気づかず罹る「エコーチェンバー」の悲劇

 

「エコーチェンバー」の対処法

つながる時代だからこそ、自分の好きなモノしか見えなくなりやすい性格があることを、ちゃんと自分で認識する。偏った情報をちょっとした好奇心で見たときは、必ずその逆の方向を見るという習慣が大事です。

昔、アメリカなどでは新聞の中に「バイオプト」という記事がありました。バイオプトとは「ある記事を反対派の意見で書いたら、それに対して賛成派はこう言っていると書く」というように、常に両方の角度からみたものはどうなっているかを新聞の中で誇りを持って載せていたんですよね。

それがだんだん「一方向からみたほうがうける」となり、物事を両方の角度からみる習慣を失くしてしまったニュースメディアが多いです。それに、今はほとんどの人がニュースをソーシャルメディア経由で見るようになっています。

そうすると、「エコーチェンバー」という他の人の意見を聞いているようで、「自分が見たい世界」「自分が好きだと思っているモノ」を見ているだけになってしまう。これは本当に気を付けたほうがいいです。

ある情報を見たら、その反対側の意見の検索キーワードをYouTubeで入れてみる。例えば「気象問題はない」という動画を見た時には、「気象問題はやっぱりある」と検索する。そうやって、常に自分が囲われている環境の情報をバランスを取るようにしてみる。

あと僕自身やっているんですけど、FacebookやTwitterもアルゴリズムに全部委ねず、自分がお気に入りにしているリストを時々変えていく。そうすることによってバランスを取る。

あともう1個、FacebookやTwitterを見る時も「ふだん自分がぜんぜん使わないキーワード」を入れてみる。

そうすると、「こういう世界があるんだ」と気が付く。そこでおもしろいことを言っている人、「この人の意見は参考にしたほうがいいな」って人をフォローする。このように、常に洗い替えをしていくことによって自分の中のバランスを取ることが大事です。

オンラインサロンの中でも、いろんな人のコメントが付きますよね。そのコメントの中で、ついつい自分が好きなコメントを見てしまうんですけど、たまには遠いモノを見る。それを習慣化してみるといいと思います。

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