健康社会学者は大反対。教育現場から「人」を意識する思考を奪いかねない“実験”とは

 

そもそも授業って集中しなきゃいけないのでしょうか?
そもそも授業ってわくわくしなきゃいけないのでしょうか?

ぼーっと聞いてる時にハッとなる瞬間があったり、だる~っと聞いてる時に「マジ!」と沸き立つ瞬間があったり。それは先生がたわいもない話をしたときかもしれないし、クラスメートが奇妙な質問をしたときかもしれない。フェイスtoフェイスだからこそ、決して理論どおりにはいかない人間だからこその、まさかが授業の醍醐味ではないでしょうか。

そんな「無駄な経験」が、長い人生を生き抜くビタミンになる。「ああ、あの時の…」と突然思い出し、心が温まる。「そんな瞬間が実際にある」ことを現場の先生には忘れないでほしいです。「その時何を教えてもらったか?」を忘れても「あの時、いつも教えようとしてくれた先生」を思い出せる方が、教育として価値があるのではないでしょうか。

それに、人の心は実に複雑で、自分でも自分の心を「言葉」にできないことの方が多いことを「私」たちは経験しているはずです。「わくわく」「たいくつ」「そわそわ」「ゆっくり」に分類するとは…言葉がありません。

少々厳しい言い方になりますが、データ越しに子供と向き合おうとする取り組みは、たとえどんな形であれ反対です。長年、中学校理科の教科書づくりに関わってきた経験からも大反対です。

教科書づくりは想像以上にハードな仕事です。教科書の一言一句まで神経を張り巡らせ、天気図一枚を選ぶにもとことんこだわります。その教科書を開いたときの子供たちの顔を、いつも想像しながら編集作業を何ヶ月もかけて行いました。教科書は研究者たちの汗と涙の結晶です。

現場の先生たちの書類や提出物などの仕事はデジタルを最大限駆使して効率化すべきですが子供と向き合う時間は、とことんアナログでやってほしい、効率より無駄を大切にしてほしいです。みなさまのご意見、お聞かせください。

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