肥満改善に「スーパー糖質制限食」が最適の食事療法と言えるワケ

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太りやすい人は「肥満関連遺伝子」を持っているという話がインターネット上には多く上がっていて、特定の遺伝子を“御三家”や“四天王”と呼ぶケースがあるようです。しかし、遺伝子で肥満を説明し改善に役立てるのは難しいと語るのは、メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』著者で、糖尿病専門医の江部康二先生です。江部先生は糖質摂取から脂肪蓄積に至る肥満のメカニズムを説明し、肥満を改善する最適な食事療法は自身が提唱する「スーパー糖質制限食」であると伝えています。

肥満関連遺伝子の現状は?

よく言われる「肥満関連遺伝子」は、ベータ2、及びベータ3アドレナリン受容体(β2AR、及びβ3AR)、そして脱共役蛋白1(UCP1)の3つです。

この3遺伝子(御三家)に、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体遺伝子(PPARγ)を加えたものが、ちまたでよく取り上げられる「肥満遺伝子」の四天王となります。

しかしこれら以外に肥満関連遺伝子は50以上も報告されているので、この4つだけで肥満を説明する事はほとんど不可能と言えます。つまり、ちまたのサイトで、あたかも確定事項のように記載されている「肥満遺伝子」四天王関連の話題に関しては、「そんな簡単なもんやおまへんで!」と言うことに尽きます。

肥満に関して、最も肝要なことがあります。それは、インスリンこそが、「肥満ホルモンである」ということです。

  1. インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制する。
  2. インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
  3. インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。
  • 肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。
  • インスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみ。
  • ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒル 「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」
  • 糖質が肥満の元凶・真犯人、脂肪は無実。

1、2、3で明らかなように、インスリンは「三重の肥満ホルモン」です。つまり、どんな肥満関連遺伝子を所有していようといまいと、

糖質過剰摂取⇒インスリン過剰分泌⇒中性脂肪過剰蓄積

が、肥満の根本要因ということです。

スーパー糖質制限食なら、インスリン追加分泌は最小限ですみ、中性脂肪蓄積も生じません。それどころか、糖質制限食なら食事中にも脂肪が燃えています。

このように考察すると、肥満改善には、スーパー糖質制限食が最適の食事療法であると自信をもって言うことができます。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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