自称保守派が「分裂」の大ゲンカ。日本保守党・百田尚樹 vs 安倍信者・小川榮太郎が勃発した理由

ky20231018
 

10月17日に開催され、大盛況のうちに幕を閉じたと伝えられる日本保守党の「結党の集い」。作家の百田尚樹氏が率いる同党に「安倍シンパ」と呼ばれた保守派が結集すると思われましたが、どうやら事はそこまで簡単な話ではなかったようです。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では、漫画家・小林よしのりさん主宰の「ゴー宣道場」参加者としても知られる作家の泉美木蘭さんが、ここに来て勃発した自称保守派による分裂劇を詳しく紹介しています。

ネトウヨ可視化の日本保守党と安倍真理教、飽きぬ自称保守の大分裂劇

共同通信が今月14、15日に電話で行った世論調査によれば、岸田内閣の支持率は32%で、発足以来最低を記録したらしい。内閣支持層の中で、積極的支持が弱まっている傾向が見え、自民党そのものの支持率も下がっていることから、「衆院解散どころではない」と嘆くベテラン議員もいるという。

そんななか、アンチ自民党の集結する日本保守党は、意気揚々。

ネット募集で4.5万人を超える「日本を愛する」党員が集まり、まもなく結党記念パーティーが開催されるようだ。初の「ネトウヨの可視化」である。

前回レポートした百田尚樹と有本香出演の「ABEMA Prime」は、本編が245万回再生、切り抜き動画が100万回再生されている。話の内容や正誤がどうであっても、再生数が稼げるという一点さえあれば、ABEMA、ニコニコなどの動画配信サイトは推したがるから、しばらくネット上での祭りは続くだろう。

月刊「Hanada」11月号では、「私たちは、日本保守党を応援します!」という特集が組まれ、自称保守界隈の著名人たちが党への期待を寄稿している。

幻冬舎の見城徹は「動かぬ霧の中を、出航の刻は来た」と詩人ランボーの一節を引用して賛美、作家の井沢元彦は日本保守党への「援護射撃」を宣言。

元海上保安官の一色正春は「あの花田さんが、こうも熱心に応援するというのはいままでにない」と、「Hanada」編集長への信頼を担保に政党への期待を寄せた。

私のなかでは「あの花田」と言えば、皇族方を病気に追い込んでもバッシングしまくるわ、自民党に大量購入してもらえるとなれば、嘘八百の安倍晋三擁護本をバカスカ出版するわ、統一協会と結託してでも雑誌の売上を確保しようとするわ、ただただ「銭になるか否か」だけが編集方針の国賊老人というイメージしかないが、ずいぶん解釈が違うらしい。

産経新聞に識者としてたびたび登場する島田洋一は、百田と有本をなぜかレーガンに例え、「両氏は偉大な発信力で知られたレーガン同様、歴史を作り得る明るい勝負師だ」と爆裂プッシュ。

さらに、界隈で“百田尚樹の妹分”と呼ばれているイスラム研究者の飯山陽は、8月末にタイのバンコクに1週間ほど滞在した際、「市内を歩いていただけで複数の日本人から『百田さんの政党、応援してますよ!』と声をかけられた」と書いている。

それ、どんなウソ?

一体どんなバンコクの歩き方をしたのだろう?

バンコクには、ネトウヨ日本人が密集して暮らすネトウヨタウンがあるのか?
そもそも飯山陽という女性は、道を歩いているだけで複数の他人から声をかけられるほどの著名人なのか?

以前からずっと思っていたことだが、自称保守の人々は、仲間を超絶誇大に持ち上げて、モーレツに賛美の限りを尽くす達人だ。

私だってサービス精神から話を盛る鉄人だし、知人の良い作品や活動は、うまく褒めたいと思いながら文章を考えるが、この寄稿文集を読んでいると、さすがに恥ずかしくなるというか、やりすぎて信憑性を低下させているだけというか、むしろ一周回って茶化しているのではないかとさえ思えてくる。

その界隈でのコネを最大限重要視して生きていたり、「自分も賛美されたい」という気持ちが強すぎたりすると、他人の持ち上げ方が過剰になってしまうように思う。人の振り見て我が振り直す機会にしたい、そう思った。

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