政策活動費は「政策」以外に浪費されている可能性大
さて、1年に10億円を超える秘密資金を手にした茂木幹事長がどのようにそれを使ったのかは、想像するよりほかにないが、「政策」とはあまり関係はなさそうである。
自民党は、政策でつながっているというより、人間関係で成り立っている集団だ。仲良くなるための飲み食いや贈り物が欠かせない。
それが常識的な範囲なら、収支報告書に記載すればいいのだが、そうではないから、裏金でということになる。
最も大きな使途は選挙がらみだろう。昔から、いかに数多くの議員を選挙で当選させるかが自民党幹事長の値打ちだと相場が決まっている。
国会議員にしても都道府県の知事にしても、地方議員や土地の有力者と仲良くし、いざ選挙が近づけば集票のためにしっかり動いてもらわなければならない。
そのために大勢の秘書を雇って日常的な地元活動をやらせるわけだが、喉から手が出るほど欲しいのはやはり軍資金だ。
そこで、目をつけた議員には、幹事長が資金援助をする。裏金だと、収支報告書に書かなくていいので、依怙贔屓してもわからない。幹事長からもらったカネを国会議員が地方議員に配るにも、裏金なら「俺にはこの額かよ」と思われる心配は無用だ。
無所属が多い地方議員のほうでも、特定の政党からカネをもらっていることを他党に知られたくないから、裏金はありがたい。
もちろん、これを選挙期間中とか、それに近いタイミングでやると、買収と見なされることがある。
2019年の参院選広島選挙区で起きた河井克行元法相夫妻による大規模買収事件でも、政策活動費が使われた可能性がある。
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