国際交渉人が描くウクライナ戦争解決のシナリオ
調停・仲介のコミュニティではいろいろなシナリオを立て、いろいろなパターンを検討していますが、その中で私が至った結論は【イスラエルとハマスの問題については、イスラエル軍によるラファへの侵攻は阻止しなくてはならないという前提は不変ですが、ガザ全域における戦闘を停止し、ユダヤ人のヨルダン川西岸への入植を即時停止したうえで、ハマスの武装解除とパレスチナ国家をアラブ周辺国との協力の下、樹立する。そしてイスラエルと新生パレスチナは相互不可侵条約を締結し、国内の抵抗勢力の武装解除を行う、という永続的な中東地域の安定につながる調停を行うべき】だと考えます。
そしてロシア・ウクライナ戦争については、停戦の追求ではなく、ロシアの永続的な封じ込めのための体制づくりが必要であると考えます。
本件に対する調停努力を止めることはしませんが、ロシア・ウクライナ相互に受け入れ不可能な条件を持ち出し、歩み寄る姿勢が見られない中、現状での拙速な停戦への圧力は止め、ロシアとウクライナのパワーバランスが均衡するための後押しを行い、その上で中立な第3者による紛争調停を実施することをお勧めします。
このような解決に向けたシナリオをすべて台無しにしてしまいかねないイベントが、アメリカで11月に起きるかもしれませんが、現時点では“たられば”はあえて考えないでおこうと思います。
以上、今週の国際情勢の裏側でした。
――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年2月23日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ
image by: rospoint / Shutterstock.com