「国民年金だけ給付」の人は、老後どのくらい年金が貰えるのか?

 

よって、この期間で年金額を計算します。

◯老齢基礎年金→816,000円(令和6年度に67歳までの人の基礎年金満額)÷480ヶ月×(厚年15ヶ月+国年納付322ヶ月+追納72ヶ月+半額免除23ヶ月÷3×2+全額免除39ヶ月÷2)=816,000円÷480ヶ月×443.833ヶ月(小数点3位未満四捨五入)=754,516円(1円未満四捨五入)

◯老齢厚生年金(報酬比例部分)→30万円×7.125÷1000×27ヶ月=57,713円

◯老齢厚生年金(差額加算)→1,701円(令和6年度定額単価。67歳までの人)×27ヶ月ー816,000円÷480ヶ月×15ヶ月(20歳から60歳までの厚年期間)=45,927円ー25,500円=20,427円

ーーーー
※簡単に補足
従来(昭和61年3月31日まで)の厚生年金の加入比例する年金であった定額部分は20歳から60歳までという制限はなく全体で計算してましたが、新法(昭和61年4月1日以降)からは定額部分が廃止されて加入比例の年金は国民年金から給付する事になりました。

ところが、国民年金からの老齢基礎年金は20歳から60歳までの厚年期間しか使わないので従来の年金との差が出てしまいます。
よって従来のやり方よりも年金が低くならないように、その差を埋めるための年金が差額加算。
ーーーー

よって、A男さんの年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分57,713円+差額加算20,427円)+老齢基礎年金754,516円=832,656円(月額69,388円)

他に配偶者(妻)に配偶者加給年金が付いていた場合は、A男さんの生年月日に応じた振替加算27,444円がA男さんが65歳以降に加算される場合はあります(厚年期間が20年以上なくて、昭和41年4月1日以前生まれだから)。

例えばA男さんの妻が2歳年下で、現在は63歳で65歳から配偶者加給年金が付くとします。そうするとA男さんが67歳になる時に振替加算がA男さんの老齢基礎年金に加算されます。

※追記
今回は計算してませんが、65歳以上で、住民税非課税世帯の場合で、前年所得+公的年金収入が778,900円~878,900円(令和5年10月から令和6年9月までの所得基準)の場合は年金生活者支援給付金が支給される場合があります。

あと、平成21年3月以前である平成16年8月から平成18年6月までの半額免除期間がどうして老齢基礎年金の3分の二になるのか。

これは平成21年3月までの国庫負担が3分の1でしたので、残りの3分の2は自分の保険料を払う事になります。

自分が払う保険料分の3分の2をさらに半額免除(2分の1にする)するので、3分の2×2分の1=3分の1

国庫負担3分の1+自分が半額払った3分の1=3分の2の反映となります。

image by: Shutterstock.com

年金アドバイザーhirokiこの著者の記事一覧

佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
年金は国民全員に直結するテーマにもかかわらず、とても難解でわかりにくい制度のためその内容や仕組みを一般の方々が学ぶ機会や知る機会がなかなかありません。
私のメルマガの場合、よく事例や数字を多用します。
なぜなら年金の用語は非常に難しく、用語や条文を並べ立ててもイメージが掴みづらいからです。
このメルマガを読んでいれば年金制度の全体の流れが掴めると同時に、事例による年金計算や考え方、年金の歴史や背景なども盛り込みますので気軽に楽しみながら読んでいただけたらと思います。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座 』

【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

print
いま読まれてます

  • 「国民年金だけ給付」の人は、老後どのくらい年金が貰えるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け