■ノートが取れればそれでいい
もちろん、現状の高機能化しているEvernoteと、自作のTextboxが同じ使い勝手であるとは言えません。圧倒的にEvernoteの勝利です。
一方で、自分がデジタルノートに求める機能はそこまで多くはないのです。広い意味で簡単に「ノートが取れればいい」。それだけです。
昔は自分がデジタルノートツールに何を求めていたのかがわかっていませんでした。だから、とにかくEvernoteを使い、そこにある機能をいかに行使するのかばかりを考えていたわけです。あえて名づけるなら、「使いこなしたい症候群」。
最近はそうした症候群から解放され、必要最低限を満たしていればそれでいい、というミニマムな領域で満足できるようになりました。その反動で高機能なツールを厭うようになっていますが、正当な感情ではないでしょう。そうしたツールが必要な人や状況は間違いなく存在しているからです。
とりあえず、これまでに存在していた「深く考えずに情報を保存しておく」が成立しなくなり、どのツールをどんな目的で使っていくのかを自分で吟味する必要が出てきている時代である、ということは言えるでしょう。
そのためのガイドブックのようなものも書けたらいいですね。
(メルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』2024年4月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ
image by: PREMIO STOCK / Shutterstock.com