学校の廊下から全米No.1へ。世界が恋する日本人ダンサーTAKAHIROのヒミツ

2016.01.28
by sakky(まぐまぐ編集部)
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米アポロシアターが主催する全米放送コンテスト番組「SHOW TIME AT THE APOLLO」に出場し、9大会連続優勝という、あのマイケル・ジャクソンを超える歴代最多優勝を記録した日本人ダンサーのことをご存知でしょうか。

その名は、TAKAHIRO(上野隆博)

独特なダンススタイルでマドンナのワールドツアー専属ダンサーに抜擢され、ルイ・ヴィトンやフランク・ミュラーなどのブランドショーのダンスコンテンツに出演。その他ブランドの演出・振付けを担当し、ニューズウィーク「世界が尊敬する日本人100」に選出されたこともあるダンサーです。

日本でダンスといえば、中学生から義務教育になったことが話題となりましたが、それを職業にしようとした場合はどうなるのでしょうか。世界トップクラスのダンサーTAKAHIRO氏に、華やかに見えるダンサーという職業の裏側の話や、マイケル・ジャクソンを超える記録を打ち立てた背景をインタビューしてきました。

テレビに影響され、学校の廊下で踊ってた学生時代

ーーマドンナのツアーで踊ったりとすごい活躍をなさっていますね。ダンスは「センスがものをいう世界」というイメージがあるのですが、実情はどうなのでしょうか。

TAKAHIRO氏(以下・TA):ダンスはその人の感性やセンスが大事で、才能さえあれば誰でも独学でやっていけるって思われがちです。たしかにセンスは必要ですが、それを職業にするとなると話は違ってきます。プロとしての最低限学ばなければならないルールやメソッドはたくさんあるんですよ。身体で覚えて、頭で覚えて、秩序も守って……全てを学んだ上で初めてステージでお客様と対峙できる。それも知らないようではお客様に見せることも許されない、生半可な気持ちではステージに立ってはいけないんです。

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 ーーTAKAHIROさんがダンスを始めたきっかけとは何だったのでしょうか。

TA:高校生の時に、偶然テレビでダンスをしている歌手を観てカッコイイなと思ったのがきっかけです。「自分も自由に身体を動かせたら楽しいだろうな」という憧れが生まれ、大学生になってダンスを始めたんです。といっても、体育館の廊下の窓に反射する自分の姿を映し好きな曲を流して、なんか動いてるだけでしたが(笑)。なのでダンススタジオに行ったりはせず、基本独学です。

単身渡米し、マイケル・ジャクソンを超える快挙

ーー独学で…しかも体育館の廊下…そこからどういう経緯を辿ってプロになったのでしょうか。

TA:一度就職しましたが、ダンスを諦められず、単身アメリカに渡ってコンテストを受けました。それがアポロシアターのコンテストで、オーディションにて選ばれた約1,000組が年間チャンピオンを目指す大会。マイケル・ジャクソンもスティービー・ワンダーもこのコンテスト出身なんです。

でも、そこに出たらいきなりチャンピオンになっちゃったんですよ。その後、そこのディレクターのすすめで全米テレビ放送の大会に出たら、そこでも9回も勝っちゃって、なんじゃこりゃってなったんです。ふと周りを見たら、神輿を担いでくれているような状態になっていて、これはチャンスなんだろうと思い、プロを目指して行けるところまで行こうと決意しました。

実は英語はまったく話せなかった

ーー単純に凄いですね。いきなり単身渡米とのことですが、英語は喋れたのでしょうか。

TA:喋れなかったですよ。今は仕事の大半が英語ですが、当時は出国審査に入る時に何を言っているかわからなかったくらい(笑)。それに、海外で活躍したいと思った時に、先に勉強するのは英語ではないですから。

ーー英語ではないというと?

TA:ダンスの能力を伸ばすことです。もしあなたが海外の有名なアーティストで、オーディションにて「この子が欲しい」となった時に、英語が喋れないくらいなら問題ないでしょ。喋れるアシスタントをつければいいだけの話だし、ダンスは声がないので踊ってくれればいい。

披露したパフォーマンスが中途半端だったら「英語を喋れないんじゃ面倒くさいわ」で終わります。だからダンスを勉強し突き抜けなければ、海外に行く意味もないし、この道をやる意味もないと思うんです。

ダンスを仕事にするためには◯◯が必ず必要になる

ーー突き抜けるですか…TAKAHIROさんのように、独学で学んだほうが、独自性がでるのでしょうか。

TA:独学で活きるのは、空想力とオリジナリティ。しかしプロとして、仕事になればなるほど、あることが大事になってくるんです。わたしはそれを学んだから、今、仕事ができています

ーーその「あること」とはなんですか。

TA:それは基礎です。その基礎を学ぶために、僕はアメリカに行ってからダンスの学校を卒業しています。

ーー独学で全米NO.1になっても基礎が大事なんですね。

TA:仕事では、ジャズやバレエの基礎の動きがわからないとできないことや、技術を教えたりもしなきゃいけない。それは独学では限界がある。だから基礎を学ぶ必要があり、基礎を本気で追求しなくてはいけない

ダンスでまさかの文部科学大臣賞も

ーー日本では、ダンスが義務教育になりましたが、どういう影響を及ぼすと思いますか。

TA:単純にダンスを知らない一般の人が楽しめる作品が増えたというのもありますが、義務教育で国が入ったことにより、優勝したチームは文部科学大臣賞の賞状がもらえたりします。それがあると高校や大学の受験で有利になったり、自分たちのやったこと、努力が証明できる時代になりました

そういう意味においても、社会的ポジションは上がったのではないかと思います。

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 ーー社会的ポジションが上がったことにより、ダンサーという職業に憧れ、仕事にしたいと思う子供が増えると思うのですが、舞台で踊る以外にどういった活躍の場があるのでしょうか。

TA:多いですよ。振り付け、舞台の演出、自分自身がパフォーマンスをする、ダンススタジオで教える、評論・審査をする、人の育成をする、教育に携わる。それにダンスの身体技術を活かして、写真のモデルやゲームのモーションキャプチャー、テーマパークでのパフォーマンスなどもありますね。

あえて格好悪く見せるときもある

ーー教育に携わるというと、東京ダンス&アクターズ専門学校で名誉教育顧問(教育アドバイザー)をなさっていますよね。

TA:そうですね。授業の中で作品の振りつけをしたり、直接生徒にダンスを教えています。

東京ダンス&アクターズ専門学校で学ぶメリットは2つ

1つ目は、例えばダンスを職業にしたら、カッコ良くだけでなく、カッコ悪く見せることも必要だし、どうしたらカッコよく見えるのかという心理も学ばなくちゃいけない。だから、あなたがやりたいことだけじゃなく、やるべきことが手に入る

2つ目は、いろんなダンスを学ぶことができる場所はあるけれども、同い年の子たちが集まってライバルとして戦える、一緒に育みあえる仲間になれる場所って中々ないんですよね。今の自分がどんな位置にいるのかを、自分と同じ目線で切磋琢磨できるのが大きい。

この2つが、東京ダンス&アクターズ専門学校なら手に入るのが大きいと思います。

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ーー直接、TAKAHIROさんが特別講師として教えているというのも大きいのではないでしょうか。

TA:当時は右に左に道がわからなかったけど、今は最短ルートが見えるので、自分が10年かけてきた道を多分5年で行けると思う。海外で経験してきて、こうやったらもっと早く行けた、ここで踏ん張ったからうまくいっていた、これはやる必要はないなど、それを伝えることができます。もうひとつは、今、実際に活動している最先端なものを伝えることができますね。

 これからの時代に活躍の場を増やすダンサーという職業

これからの日本では、ダンスの義務教育化にともない、ダンスに興味を持ち、踊る楽しさ、踊りを見る楽しさを体感・実感している人が増え、ダンスの活躍の場がどんどん増えていくことでしょう。またショウビジネスだけでなく、学校の授業やエクササイズなど、日常の中でダンスに触れ合う機会が増えていく未来も見えます。

ということは、ダンサーという職業を選ぶのは、現実味のないことではなく、体を使って表現したいという人にとっては、ごく当たり前の選択肢のひとつとなるのではないでしょうか。そこで必要になる基礎を、TAKAHIRO氏が10年かけて通ってきた道を凝縮して学ぶことができる、東京ダンス&アクターズ専門学校で学んでみてはいかがでしょうか。

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