吉田「こちらは車をコンビニ入り口手前の駐車スペースへ停車して買い物中にそちらの自転車が倒れて接触、そしてフロントバンパーに大きく傷をつけられてしまったので、全く落ち度はありません。ということで修理代を全額支払って頂きますがよろしいでしょうか?」
加害者「ああ、はい。なんで自転車が倒れちゃったんだろ?」
吉田「そういう問題じゃなくてですね、あなたがですね、自転車を止めることのできる駐輪スペースへ止めなかったのがそもそものミステイクなんですよ。駐輪スペースではない入り口に近いところへ止めようとモノグサしたあなたの過失だと思いますが」
加害者「あー、はい。そうですね……」
吉田「いつも駐輪スペースへ止めず、店の入り口前に自転車を止めているんじゃないですか?」
加害者「そうですね、はい」
吉田「店の入り口は玄関口なので自転車を止めるスペースじゃないでしょ。向こう側に止めるスペースがあるじゃないですか。しかも店員さんに聞くところ、こちらのコンビニの常連さんだとか? それだったら尚更だと思いますよ」
加害者「はい。自転車が倒れて車に接触するとは思わなくて油断してました」
吉田「駐輪スペースがあるんですからモラルを守ってキチンと自転車を止めておけばこういうことにならなかったんですよ。それと、仮にあなたが自転車を倒さなかったとしてもですね、僕の車の目の前に自転車を止めていたわけですから、強風で倒れて傷がつけられたとしても僕からはあなたに修理費用を請求する形になるのは変わりませんからね。あと、強風だけではなく、コンビニ客の誰かがあなたの自転車に触れてしまい、倒れた自転車が僕の車に接触して傷をつけられても同じことです。僕はあなたに自転車の持ち主として請求致しますが、あなたはそのコンビニ客に対して責任を問わねばならないんですからね。としても、駐輪スペースがあるのにそこへ止めて置かなかったあなたの自転車を所有している責任義務が生じますから、それなりに過失はあなたにも出てきますよ。ちなみに保険には加入しているんですよね?」
加害者「え? 保険ですか?」
吉田「自転車で何か事故を起こした際の対人対物の保険です」
加害者「うーん、入ってないですね」
吉田「では、ご自宅の火災保険に自転車での事故事案に関して補償できる可能性もありますが如何でしょうか?」
加害者「いや~、火災保険にも入ってないですね……」
吉田「では、車を運転されているのでしたら、その任意保険の中に自転車での過失事故に対しての対人対物補償があったりする場合もあるのですがどうでしょうか?」
加害者「車も乗りませんので……」
吉田「なんも保険入ってないんですか? では仕方がないですが、修理費用は自己負担な自己責任でお願い致します」
加害者「はい、わかりました」
吉田「いつ何時、何が起こるかわからないんですから、いくら自転車とはいえ、保険に入って対人対物補償ができないとこういう事態になって痛い思いするだけですから、加害者の方へ老婆心ながらいうのも心苦しいですが自転車だからという軽い感覚ではなく、キチンと保険に入りましょうよ。いつ自分が加害者になるかわかりません」
という具合にこちらが一方的にまくしたてていると、加害者の男性をイジメているように見られてしまい、野次馬からは吉田が加害者っぽく見られてしまう、なんともおかしな状態に。
でも、自分が発言していることは正論だと自負していたし、自転車だからとナメていると今回のケースみたいに加害者になって初めて痛い思いするケースが出てきますからね。
結局、この男性は修理費用を67000円支払うことになりました。ニュービートル カブリオレだったら外車であり、パーツも高いのでその3倍ぐらいの修理費用になっていたと思います。
と、コンビニ自転車転倒接触事件(自分の中では勝手に事件扱いにしている)から僅か3週間後、さらに自転車との重大な事案が発生するのでした。そちらの模様は次回!
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