このようなライバル企業の攻勢を目の当たりにして、負けるわけにはいかないと一気に日本市場の攻略を図る戦略が、ファーストキッチンの買収だったのではないでしょうか。
ただ、ウェンディーズは今回の買収にあたって、闇雲に大きな賭けに出たわけではありません。
慎重に効果を検証したうえで、十分な投資効果が期待できるという結論に至ったのです。
ウェンディ―ズは、買収の決断を下す前に、まずは試験的にウェンディーズとファーストキッチンを合体させたハイブリット店舗を六本木と上野の2店舗で展開します。
もともと女性に人気のメニューが豊富なファーストキッチンと、男性に人気のボリュームのあるメニューを揃えるウェンディ―ズという組み合わせは予想以上の功を奏し、売上は2割程度アップするという結果につながったのです。
このマーケティングテストにより、コラボレーションの効果を確信したウェンディ―ズは、日本のハンバーガー市場で再び存在感を示すべく一気に100店舗以上の店舗網を獲得する買収へゴーサインを出したということなのでしょう。
今後、ウェンディ―ズはファーストキッチンのブランドはそのまま残し、一部をハイブリッド店舗に改装して、売上アップを図っていく戦略を発表しています。
マクドナルドという圧倒的リーダーが、パワーを失いつつある日本のハンバーガー市場でファーストキッチンという業界第5位のハンバーガーチェーンを得たウェンディーズは台風の目となることができるのでしょうか?
試験店舗で成功を収めたように、両ブランドの強みをさらに強化できるようなシナジーを発揮できれば、業界の勢力地図が塗り替えられたとしても決して不思議なことではないでしょう。
image by: MAG2 NEWS
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