それはともかく、慰安婦像をめぐり、今後は韓国内での分断が加速する可能性があります。次期韓国大統領は、親北で反日の文在寅が有力視されています。彼は慰安婦像の設置には賛成で日韓合意には否定的です。自分が大統領になれば、日韓合意を見直すとも発言しています。ただ、文在寅の政治姿勢はあの盧武鉉大統領と酷似しているということで、反対派も少なくありません。
トランプ大統領はアメリカ分断の象徴として語られますが、韓国も同様に分断の様相を呈してきているわけです。そして慰安婦問題が韓国を分断するテーマとなる可能性があります。
38度線は朝鮮民族分断の象徴ですが、これからは慰安婦像は韓国国民の分断の象徴として語られるのかもしれません。もはや慰安婦問題は日本とは関係なく、韓国の国内問題になっているわけです。
ちなみに、釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像は、もともと米軍の事故で亡くなった2人の韓国人少女がモデルであり、アメリカ大使館前に設置する予定だったのですが、アメリカ側から「そんなことをしてみろ、大変なことになるぞ」と一喝されて、やむを得ず倉庫にしまってあった慰安婦像を「反日なら」ということで出してきたという話があります。
慰安婦像を聖女化すると、この先、朴槿恵像を慰安婦像としたり、慰安婦が国会議員になったり、あるいは韓国大統領に選出されるといったことも、韓国社会ではありえないことではありません。
「慰安婦」というブランドが売れるようなら、すぐに業者や美術家が真似をして、韓国は慰安婦像だらけの国家になってしまうでしょう。慰安婦の偶像化は、一部の業者が喜ぶだけで、「恨」が多少は解消されても、やはり子供遊びの域を出ません。韓国人の間でも、不協和音が出るのは当然です。