こども保険に騙されるな。国民に負担させる「見えない税金」の典型

 

しかも、この「子供子育て拠出金」は近年になって、拠出率が急上昇しているのです。2012年3月以前には、0.13%だったものが、2017年には0.23%になっているのです。わずか5年でほぼ倍増です。

つまり、0.1%の「こども保険」を徴収される前に、すでに同様の主旨で0.23%も徴収されているのです。年収500万円の人は年間1万円以上取られることになります。

●「子供子育て拠出金」の拠出率の推移

  • 2012年3月以前:0.13%
  • 2012年4月以降:0.15%
  • 2016年4月以降:0.20%
  • 2017年:0.23%(予定)

なぜ、これについて誰も文句を言わないのでしょうか? そこには徴税側のトリックがあるのです。

「子供子育て拠出金」は税という文言を使う事を巧みに避けています。国民は税という言葉には敏感に反応しますが、税という名称がついてなければ鈍感なところがあります。

もし「新たに税を年間1万円徴収する」ということになれば、国民は大反発しますが、拠出金という名目にすればスルーしてしまうのです。しかも、この拠出金は、国民が直接払うのではなく、事業者が負担するという形態になっています。国民からは見えにくく、ほとんど誰も知らないという事態になっているのです。

昨今、こういう負担増が、国民の知らない間に、あちこちで行われています。社会保険の掛け金も知らぬ前に、増額され、その一部は官僚によってピンハネされています

公共料金も世界的に見て異常に高いまま、下がる気配はありません。日本は、表面的な税金は決して高くはありませんが、国民のわかりにくいところで、巧妙に負担を増やしているのです。つまり「見えない税金が急増しているのです。

しかも、これらの「見えない税金」は、本当に、子育て支援や高齢化社会のために使われているのではありません。これらの見えない税金は、世界的に見ても、相当な負担額なのです。本来ならば、社会保障、社会福祉は、普通の税収で十分に賄えるはずなのです。

しかし、待機児童問題はまったく解消されませんでした。近年の日本は、必要な手当てを怠り、財政を極度に悪化させ、少子高齢化の備えもまったくしてきませんでした。そのツケを見えない税金でカバーしようとしているのです。

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